こんにちは、けいです。

「東京都で先生になったら、最初の給料はいくらなんだろう」。東京都の教員採用試験を受ける人や、来年の春から東京都の学校で働く人は、いちばん気になるところだと思います。

東京都の教員採用ポータルサイトには、大卒の初任給として「約329,200円」と載っています。このブログで計算してきた都府県の中では、いちばん高い金額です。この記事では、その「約」の中身を、都の条例と給与の資料の数字で1円単位まで組み立てました。

📌 この記事でわかること

  • 東京都の教諭の初任給(大卒新卒)の内訳——4つの足し算
  • 給料表の金額は比べた都府県でいちばん低いのに、初任給が1位になる理由(地域手当20%)
  • 学級担任の上乗せ+3,000円と、短大卒・特別支援学校・社会人経験者の初任給
  • 1年目の手取り・ボーナス(年収は約511万円)と、2年目の6月に手取りが減る理由
  • 初任給は1位なのに、40歳の年収では5位に下がる理由

先に結論を言うと、大卒で新卒採用された教諭の初任給は329,248円。小学校・中学校・高校で同じ金額です。1年目の手取りは月約27.8万円、1年目の年収は約511万円です。

📰 2026年10月16日の東京都人事委員会勧告(10/16追記)
勧告どおりに給料表が改定されると、教育職給料表の2級9号給は259,300円→270,500円になります。地域手当20%・教職調整額5%・特別手当2,530円は同じとして計算すると、大卒新卒の初任給は343,360円(この記事の金額より月+14,112円)です。
ボーナスも年4.90か月→5.00か月に引き上げ(今年は12月のボーナスから)。給料表の改定は令和8年4月にさかのぼって実施とされています。都議会で条例が改正されたら、この記事の本文も新しい金額に直します。ほかの県の勧告は 2026年 人事委員会勧告まとめ にまとめています。

結論:東京都の教員の初任給と手取り

項目(大卒・新卒の教諭/小・中・高校)金額
初任給(月給・額面)329,248円
学級担任の場合332,248円(+3,000円)
1年目の手取り(月)約277,700円
1年目の夏のボーナス(6月)約36.1万円(期末手当5割・勤勉手当4割)
1年目の冬のボーナス(12月)約80.0万円
1年目の年収(4月〜翌3月・額面)約511万円
2年目6月からの住民税(月)約1.57万円

モデルは「大学を卒業してすぐ、4月1日に東京都の教諭として採用された人(独身・扶養なし・学級担任なし・島しょ地域以外の勤務)」です。通勤手当・住居手当などは含めていません。

💡 東京都の教員採用ポータルサイトでは、大卒の初年度の年収例が約510万円(令和8年4月1日現在)と公表されています。この記事の計算(約511万円)とほぼ同じなので、内訳の組み立ては合っていると考えてよさそうです。

初任給の内訳——4つの足し算

都の条例・給与の資料(令和8年4月1日現在)の割合で、教諭(大卒・新卒)の初任給を1円単位で計算しました。

内訳金額計算のしかた
給料(基本給)259,300円教育職給料表 2級9号給
教職調整額12,965円給料の5%(残業代の代わり)
地域手当54,453円(給料+教職調整額)× 20%
義務教育等教員特別手当2,530円2級9号給の額(表で決まる)
合計329,248円ポータルの「約329,200円」

東京都では、教諭は教育職給料表の2級で、4年制大学を新卒で採用された人は2級9号給からスタートします(東京都教育庁の採用説明資料より)。東京都の給料表は小学校・中学校・高校で1本なので、校種で金額は変わりません。

東京都の給与の資料(給与メモ)では、地域手当は「給料の月額×支給割合」で、この「給料の月額」に教職調整額が含まれると書かれています。給料だけに20%をかけると51,860円になってしまうので、自分で計算するときは注意してください。

💡 義務教育等教員特別手当は、名前に「義務教育」とありますが、東京都では高校の先生にも支給されます。号給が上がるにつれて少しずつ増える手当で、2級9号給は2,530円です。

給料表はいちばん低いのに、初任給が1位になる理由

このブログで計算してきた都府県と、初任給と基本給(給料表の金額)を並べてみます。

都府県初任給(大卒新卒・教諭)給料表の金額地域手当
東京都329,248円259,300円20%(都内一律)
大阪府317,916円266,900円12.8%(府内一律)
神奈川県315,303円265,400円12.5%(県内一律)
愛知県311,334円271,700円8%(名古屋市など)
埼玉県309,779円265,400円8.5%
千葉県(勧告前)306,795円266,000円9.2%(県内一律)
兵庫県306,664円265,400円9.4%(神戸市など)
茨城県297,190円265,400円6%
福岡県295,518円265,400円5.4%

給料表の金額を見ると、東京都の259,300円は9都府県の中でいちばん低い金額です。神奈川・埼玉・兵庫・茨城・福岡の265,400円より6,100円、愛知の271,700円より12,400円も低くなっています。

それでも初任給が1位になるのは、地域手当が20%だからです。地域手当だけで月54,453円。大阪府(12.8%・35,871円)より約1.9万円、福岡県(5.4%・約1.5万円)より約4万円多くつきます。基本給で負けている分を、地域手当で大きくひっくり返しているわけです。

東京都の初任給の考え方
基本給はいちばん低い × 地域手当20% = 初任給は1位

23区でも多摩でも、同じ20%

国の基準では、地域手当は23区が20%で、多摩地域の市町村はそれより低い割合(市によって違う)に分かれています。ところが東京都の学校の先生は、都内の区市町村(島しょ地域を除く)ならどこでも20%です。八王子でも町田でも奥多摩でも、23区と同じ割合になります。

例外は島しょ地域(伊豆諸島・小笠原諸島)で、地域手当は10%です。そのかわり、島しょの学校にはへき地手当など別の手当がつきます。

また、東京都には政令指定都市がないので、23区の小中学校も多摩の小中学校も都立高校も、みんな東京都の採用・東京都の給料表です。大阪府や神奈川県のように「市の採用だと給料が違う」ということはありません。地域手当の仕組みそのものは、東京の教員の給料はなぜ高い?「地域手当」の正体でくわしく書いています。

学級担任は+3,000円。短大卒・特別支援学校・社会人経験者はいくら?

学級担任の上乗せは月3,000円

2026年1月から、学級担任の先生には特別手当に月3,000円が上乗せされています。東京都では、学級を担任する先生は3,000円、担任を補佐する先生は1,000円、複数の先生で担任する場合は2,000円です。担任をもつ新卒の教諭は、332,248円になります。

学歴・校種・経験年数ごとの初任給

東京都の教員採用ポータルサイトに載っている金額(令和8年4月1日現在・都内〔島しょ地域を除く〕)はこうです。

区分小・中・高校特別支援学校
短期大学卒約306,600円約322,600円
大学卒約329,200円約346,300円
大学卒+民間企業5年約371,700円約389,200円
大学卒+民間企業10年約407,600円約425,100円
大学卒+民間企業15年約440,700円約458,200円

特別支援学校の先生は、給料に「給料の調整額」(2級9号給で14,261円)が上乗せされるので、大卒で約1.7万円高くなります。計算すると、給料259,300円+調整額14,261円+教職調整額12,965円+地域手当(20%)57,305円+特別手当2,530円で346,361円。ポータルの「約346,300円」と合います。特別支援の先生の給料の仕組みは、特別支援学校・特別支援学級の先生は給料がいくら違う?で兵庫県を例に説明しています。

民間企業などの経験がある人は、年数に応じて号給が上がります。民間5年でも約37万円と、大きく変わるのが東京都の特徴です。

1年目の手取りはいくら?

月給から社会保険料と税金を引いた手取りを計算しました。

項目金額
月給(額面)329,248円
共済掛金(年金・健康保険)約−46,100円
所得税約−5,500円
住民税0円
手取り約277,700円

1年目は住民税がかからないので、手取りは額面の約84%です。住民税は「前の年の所得」で決まるので、学生だった1年目は0円。教員人生で、手取りの割合がいちばん高い時期です。

共済掛金は、会社員でいう厚生年金と健康保険にあたるものです。中身は給与から引かれる「共済掛金」って何?で解説しています。

💡 東京都は家賃が高いので、住居手当も気になるところです。住居手当は、家賃の額や年齢などの条件で支給額が決まります。この記事の手取りには入れていないので、賃貸に住む人は、手取りが少し増えると考えてください。

1年目のボーナスと年収——夏も5割出る

東京都の教員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は、年4.90か月分です(6月・12月にそれぞれ2.45か月分)。このブログで計算してきた県の多くは4.65〜4.7か月なので、ボーナスの月数でも東京都は多めです。

1年目の6月は、在職期間が短いので満額は出ません。東京都の採用説明資料では、新卒1年目の6月は期末手当が5割・勤勉手当が4割として計算されています。ほかの県の記事では「夏は約3割」と書いてきましたが、東京都の資料の計算どおりだと、夏のボーナスは満額の約6割になります。

時期支給の割合額面の目安手取りの目安
1年目の6月期末手当5割・勤勉手当4割約36.1万円約29.2万円
1年目の12月満額(2.45か月分)約80.0万円約64.6万円
2年目以降満額(年4.90か月分)約160万円+昇給分—

ボーナスの計算のもとになるのは、給料+教職調整額+地域手当(326,718円)です。特別手当は入りません。自分の金額は教員ボーナス計算ツールで計算できます。

この結果、1年目(4月〜翌3月)の年収は、月給329,248円×12か月+ボーナス約116万円で約511万円になります。都が公表している「大学卒の初年度の年収例 約510万円」と、ほぼ同じです。

💡 東京都の教職調整額は、毎年1月1日に1%ずつ上がる予定です(2026年は5%)。予定どおりなら、1年目の2027年1月から6%になり、月給は332,359円(+3,111円)に。1〜3月の3か月分を入れると、1年目の年収は約512万円になります。

2年目の6月、手取りが減る——住民税のスタート

東京都の昇給日は毎年4月1日です。2年目の4月に、ふつうは2級13号給(266,200円)に上がります。教職調整額も6%になっているので、月給は341,276円。なのに、2年目の6月の給与明細では手取りが減ります。

時期月給(額面)住民税手取りの目安
1年目(4月〜12月)329,248円0円約277,700円
2年目の4月〜5月341,276円0円約287,600円
2年目の6月〜341,276円約15,700円約271,900円
3年目の6月〜(昇給後)約24,500円—

原因は住民税です。住民税は「前の年(1月〜12月)の所得」で計算されて、翌年の6月から毎月の給料から引かれます。1年目の4月〜12月に働いた分(ボーナスも含めて約413万円)の住民税が、2年目の6月から始まるわけです。

2年目の6月の手取りは、5月より月1.5万円ほど少なくなります。さらに3年目は、1年まるごと働いた2年目の所得で住民税が計算されるので、もう一段上がって月2.4万円ほどになります。

💡 2年目の月給341,276円は、4月の昇給(2級13号給・266,200円)と、教職調整額6%(2027年1月〜の予定)、特別手当2,670円で計算した金額です。今後の勧告で給料表が変われば、ここも変わります。

6月ごろ職場で配られる「住民税の決定通知書」には、年収や控除がまるごと載っています。見かたは住民税の課税通知書の記事でどうぞ。

初任給1位なのに、40歳では5位になる理由

東京都は初任給では1位ですが、このブログの都道府県別の40歳の年収ランキングでは、5位(約740万円)です。大阪府・愛知県・埼玉県・京都府に抜かれます。

理由は、給料表の伸び方です。東京都の給料表は、新卒のときから他県より低いうえに、年齢が上がっても他県との差が開いていきます。地域手当20%で取り返しても、給料表が高い県(大阪・愛知・埼玉・京都)には追いつかなくなるわけです。

くわしくは東京の教員、40歳で年収いくら?で計算しています。「若いうちは東京が有利、年齢が上がると差が縮む・逆転する」と覚えておくといいと思います。

⚠️ 東京都の教諭は、2級(教諭)→3級(主任教諭)→4級(主幹教諭・指導教諭)と、昇任すると級が上がって給料が大きく増える仕組みです。40歳の年収は、主任教諭に昇任しているかどうかでも変わります。

よくある質問

Q. 東京都の初任給は、全国で何番目に高いですか?

A. このブログで公式資料を確認できた都府県の中では1位です。ただし給料表の金額はいちばん低く、差はほとんど地域手当20%によるものです。

Q. 23区と多摩で、初任給は変わりますか?

A. 変わりません。都内の区市町村(島しょ地域を除く)は、どこでも地域手当20%です。島しょ地域は地域手当10%ですが、へき地手当などがつきます。

Q. 小学校・中学校・高校で、初任給は違いますか?

A. 同じです。東京都の教育職給料表は1本で、どの校種でも2級9号給からスタートします。特別支援学校は「給料の調整額」がつくので、約1.7万円高くなります。

Q. 初任給は毎年変わりますか?

A. 変わります。毎年秋の人事委員会の勧告で給料表が改定されるほか、教職調整額が毎年1月に1%ずつ上がる予定です。この記事は令和8年の東京都人事委員会の勧告が出る前の金額です。勧告が出たら、この記事に追記します。

Q. 来年(2027年4月)採用だと、初任給はいくら?

A. 今の給料表のままなら、教職調整額が6%になる分だけ上がって332,359円です。実際には、秋の勧告で給料表が引き上げられれば、さらに上がります。

まとめ

✅ 東京都の教員の初任給、3行まとめ

・大卒新卒の教諭の初任給は329,248円(小・中・高校で同じ)。給料259,300円+教職調整額5%+地域手当20%+特別手当
・給料表は比べた9都府県でいちばん低いのに、都内一律20%の地域手当で初任給は1位。学級担任なら+3,000円
・1年目の手取りは月約27.8万円、年収は約511万円。2年目の6月から住民税が始まり手取りが減る

「うちの県の初任給も知りたい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ。公式資料を確認して、順番に記事にしていきます。

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