こんにちは、けいです。

匿名の質問箱に、こんな質問をいただきました。「兵庫県の1年目の講師で、小学校の通常学級の担任。地域手当が4.4%の勤務地だと、総支給額と手取りはいくらになりますか?」——講師として働き始める人、来年から講師を考えている人には、いちばん知りたい数字だと思います。

答えを先に言うと、10月14日の人事委員会の勧告どおりに改定された場合で、総支給額は月294,741円、手取りは約24.9万円です。改定前の金額より、月11,401円上がります。

この記事では、兵庫県の条例・規則と、今年の勧告の給料表をもとに、講師1年目の給料を1円単位で計算しました。勤務地(地域手当)ごとの金額、教諭との差、ボーナス、2年目の住民税まで整理しています。

📌 この記事でわかること

  • 兵庫県の講師(期限つき・大卒1年目)の初任給の内訳と、勧告どおりなら月いくらか
  • 学級担任の加算2,000円は、講師にも付くのか(条例・規則で確認)
  • 勤務地(地域手当9.4%・6.4%・4.4%)ごとの総支給額と手取り
  • 同じ勤務地の教諭と、月いくら・年いくら違うか
  • 1年目のボーナス、年収の目安、2年目の住民税

結論:講師1年目の総支給額と手取り(地域手当4.4%・担任あり)

項目(大卒・前歴なしの講師1年目/小学校の通常学級の担任/地域手当4.4%)金額
総支給額(月給・額面)294,741円
改定前の金額283,340円(+11,401円)
手取りの目安(1年目)約249,000円
同じ条件の教諭306,351円(講師より月11,610円高い)
1年目の年収の目安約442万円

前提は「大学を卒業してすぐ、4月1日に兵庫県の期限つき講師として採用され、地域手当4.4%の市町の小学校で通常学級の担任をする人(独身・扶養なし)」です。通勤手当・住居手当などは含めていません。

📰 金額は、2026年10月14日の兵庫県人事委員会の勧告どおりに給料表が改定された場合です。実際に変わるのは県議会で条例が改正されてからで、多くの場合、4月にさかのぼった差額がまとめて支払われます。改定前の金額も、各表に並べています。

この記事の「講師」とは——期限つきの常勤講師

「講師」には2種類あります。この記事で計算しているのは、期限つきの常勤講師(臨時的任用の講師)です。教諭と同じようにフルタイムで働き、学級担任も持ち、給料も月給で支払われます。産休・育休の先生の代わりや、欠員の補充で任用される先生です。

もう1つの非常勤講師は、授業の時間だけ働く時間給の先生で、計算のしくみがまったく違います。非常勤については非常勤講師の時給の記事をどうぞ。

兵庫県の規則(公立学校教育職員等の給与に関する規則)の初任給の基準表では、期限つきの講師など(大卒)は1級21号給からスタートします。教諭(大卒)は2級17号給です。この「級」の違いが、教諭との給料の差になります。

講師の初任給の内訳——5つの足し算

県の条例・規則の割合で、講師(1級21号給)の初任給を計算しました。計算のしかたは、採用試験の要項に載っている初任給(294,733円・神戸市内の場合)と同じです。

内訳勧告どおりなら改定前計算のしかた
給料(基本給)265,500円255,100円1級21号給(高校の表も小中の表も同じ額)
教職調整額13,275円12,755円給料の5%(残業代の代わり)
地域手当12,266円11,785円(給料+教職調整額)× 4.4%
義務教育等教員特別手当1,700円1,700円規則の表の額(1級21〜24号給)
学級担任の加算2,000円2,000円通常学級の担任に上乗せ(兵庫は2,000円)
合計294,741円283,340円差は月11,401円

勧告で上がるのは「給料」の部分(255,100円→265,500円)です。教職調整額と地域手当は給料に割合をかけて決まるので、給料が上がると一緒に上がります。特別手当と担任の加算は定額なので変わりません。

ちなみに、要項の294,733円は「神戸市内勤務(地域手当9.4%)・担任なし・改定前」の講師の金額です。同じ講師でも、勤務地と担任の有無で金額が変わります。

担任の加算2,000円は、講師にも付く

「担任手当は教諭だけでは?」と思う人がいるかもしれません。条例と規則を確認すると、講師にも付きます。

つまり、付くかどうかは「教諭か講師か」ではなく、「通常学級の担任かどうか」で決まります。担任を持たない講師は、2,000円が付かず292,741円です。

💡 国の基準では担任の上乗せは3,000円ですが、兵庫県は2,000円です。くわしくは兵庫県の教員の初任給の記事で説明しています。

勤務地で変わる——地域手当3段階の一覧

兵庫県の地域手当は、学校がある市町によって3段階です。講師1年目(担任あり)の総支給額と手取りを、勧告どおりの金額で並べました。

地域手当主な勤務地総支給額手取りの目安改定前
9.4%神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市(明石市・川西市の一部の学校)308,679円約261,000円296,733円
6.4%姫路市・明石市・川西市(上の学校以外)300,316円約254,000円288,697円
4.4%そのほかの県内すべての市町294,741円約249,000円283,340円

同じ講師1年目でも、勤務地で月13,938円の差があります。0%の地域はないので、県内どこで働いても最低4.4%は付きます。

手取りは、共済掛金(年金・健康保険=月給の約14%)と所得税を引いた目安です。1年目は住民税がかからないので、手取りは額面の約84%です。共済掛金の中身は給与から引かれる「共済掛金」って何?で解説しています。

教諭と比べると——月11,610円の差

同じ地域手当4.4%・担任ありで、教諭(2級17号給)と講師(1級21号給)を比べました。

内訳教諭(2級17号給)講師(1級21号給)差
給料276,000円265,500円10,500円
教職調整額(5%)13,800円13,275円525円
地域手当(4.4%)12,751円12,266円485円
特別手当+担任の加算3,800円3,700円100円
合計306,351円294,741円11,610円

差のほとんどは、給料の「級」の違いです。教職調整額と地域手当は給料に連動するので、差が少しふくらんで月11,610円。ボーナスにも効くので、年収では約17万円(1年目)、2年目以降は約19万円の差になります。

教諭の初任給の内訳は兵庫県の教員の初任給に、号給ごとの金額は兵庫県の教員の給料表にまとめています。

1年目のボーナスと年収の目安

ボーナス(期末手当・勤勉手当)は、勧告どおりなら年4.65か月分→年4.70か月分になります。計算のもとになるのは、給料+教職調整額+地域手当(地域手当4.4%なら291,041円)で、特別手当と担任の加算は入りません。

時期支給の割合額面の目安
1年目の6月ふつうの約3割(在職2か月のため)約20万円
1年目の12月満額約68万円
2年目以降満額(年4.70か月分)約137万円+昇給分

この結果、1年目(4月〜翌3月)の年収は約442万円になります。

⚠️ 講師で気をつけたいのは、ボーナスの基準日です。6月1日と12月1日に在職していることが支給の条件なので、任用の期間がこの日をまたいでいない場合は支給されません。年度の途中からの任用や、任用期間が短い場合は、辞令の期間を確認してください。

2年目の6月から住民税——手取りが減る

住民税は「前の年(1月〜12月)の所得」で計算されて、翌年の6月から毎月の給料から引かれます。学生だった1年目は0円ですが、2年目の6月からは、1年目の4月〜12月に働いた分の住民税が始まります。

時期住民税(月)手取りへの影響
1年目(4月〜翌5月)0円—
2年目の6月〜約12,800円月1.3万円ほど減る
3年目の6月〜約2万円1年まるごと働いた分で計算されるので、もう一段上がる

翌年度も講師を続ける場合は、1年分の経験が加わって号給が上がるのが基本です。ただ、住民税の分を昇給で取り返せるとは限らないので、「2年目の6月から手取りが減る」ことは、先に知っておくと慌てません。住民税の決定通知書の見かたは住民税の課税通知書の記事でどうぞ。

よくある質問

Q. 講師の経験や、会社員の経験があると、初任給は上がりますか?

A. 上がります。経験の年数に応じて号給が加算されます。この記事は「前歴なし」の1級21号給で計算しているので、経験がある人はもっと上の号給からになります。何号給かは、採用時に届く通知で確認してください。

Q. 特別支援学級の担任になりました。2,000円は付きますか?

A. 付きません。担任の加算は「特別支援学級を除く」と規則で決まっています。代わりに、特別支援学級の担任には「給料の調整額」という別の上乗せがあります(講師は8,400円)。くわしくは特別支援学校・特別支援学級の先生の給料の記事へ。

Q. 特別手当の1,700円は、改定のあとも同じですか?

A. 今のところ同じです。特別手当の額は規則の表(別表第17)で号給の範囲ごとに決まっていて、1級21〜24号給は1,700円。今年の勧告は給料表の改定で、この表には触れていません。条例の改正にあわせて規則が直されたら、この記事も更新します。

Q. 神戸市立の学校の講師も同じですか?

A. 違います。神戸市立の学校は、神戸市教育委員会が採用する別の制度で、給料の表も別です。この記事は兵庫県の採用(神戸市立以外)の金額です。

Q. 金額はいつ確定しますか?

A. 県議会で給与の条例が改正されてからです。例年12月ごろに改正され、4月にさかのぼった差額が冬にまとめて支払われます。地域手当の割合も、勧告で「適切に措置する」とされているので、変わる可能性があります。

まとめ

✅ 兵庫県の講師1年目の給料、3行まとめ

・大卒・前歴なしの講師(1級21号給)は、勧告どおりなら地域手当4.4%・担任ありで月294,741円、手取り約24.9万円(改定前より月11,401円アップ)
・担任の加算2,000円は「通常学級の担任かどうか」で決まるので、講師にも付く。特別手当1,700円は今のところ変わらない
・同じ条件の教諭との差は月11,610円・年約18万円。ボーナスは基準日に在職していることが条件。2年目の6月から住民税で手取りが月1.3万円ほど減る

質問をくださった方、ありがとうございました。おかげで、講師の先生の給料をきちんと計算する記事が書けました。条例が改正されて金額が確定したら、この記事に追記します。

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出典(公式データ)