こんにちは、けいです。

「大阪府で先生になったら、最初の給料はいくらなんだろう」。大阪府の採用試験(教員採用選考テスト)を受ける人や、来年の春から大阪府の学校で働く人は、いちばん気になるところだと思います。

大阪府の教員ポータルサイトには、大卒の初任給として「月額約317,000円」と載っています。この記事では、その「約」の中身を、府の条例と規則の数字で1円単位まで組み立てました。

📌 この記事でわかること

  • 大阪府の教諭の初任給(大卒新卒)の内訳——4つの足し算
  • 給料表の金額はよその県とほぼ同じなのに、初任給が高い理由(地域手当12.8%)
  • 学級担任の上乗せ+3,000円と、短大卒・大学院卒の初任給
  • 大阪市立・堺市立の学校は別採用——府との違い
  • 1年目の手取り・ボーナスと、2年目の6月に手取りが減る理由

先に結論を言うと、大卒で新卒採用された教諭の初任給は、府立高校・支援学校で317,916円、市町村立の小中学校で317,816円(差は特別手当の100円だけ)。1年目の手取りは月約26.8万円です。

結論:大阪府の教員の初任給と手取り

項目(大卒・新卒の教諭/府立高校・支援学校)金額
初任給(月給・額面)317,916円
学級担任の場合320,916円(+3,000円)
1年目の手取り(月)約268,300円
1年目の夏のボーナス(6月)約22.0万円(ふつうの約3割)
1年目の冬のボーナス(12月)約73.5万円
1年目の年収(4月〜翌3月・額面)約477万円
2年目6月からの住民税(月)約1.41万円

モデルは「大学を卒業してすぐ、4月1日に大阪府の教諭として採用された人(独身・扶養なし・学級担任なし)」です。通勤手当・住居手当などは含めていません。市町村立の小中学校は、特別手当が100円少ない317,816円で、ほかはほぼ同じです。

💡 大阪府が公表しているモデル年収では、23歳(社会人1年目)の教諭は478万円です。この記事の計算(約477万円)とほぼ同じ金額になるので、内訳の組み立ては合っていると考えてよさそうです。

初任給の内訳——4つの足し算

府の条例・規則の割合で、教諭(大卒・新卒)の初任給を1円単位で計算しました。

内訳府立高校・支援学校市町村立小中学校計算のしかた
給料(基本給)266,900円266,900円高校2級9号給/小中2級17号給(同額)
教職調整額13,345円13,345円給料の5%(残業代の代わり)
地域手当35,871円35,871円(給料+教職調整額)× 12.8%
義務教育等教員特別手当1,800円1,700円規則の表の額(号給で決まる)
合計317,916円317,816円ポータルの「約317,000円」

スタートの号給は、府の規則(職員の給料に関する規則)の初任給基準表で、教諭(大学卒)は高等学校等教育職給料表の2級9号給、小学校・中学校教育職給料表の2級17号給と決まっています。号給の番号は違いますが、金額はどちらも266,900円です。号給ごとの金額は大阪府の教員の給料表にすべて載せています。

大阪府では、地域手当を計算するときに教職調整額も給料に含めて12.8%をかけます(条例で「教職調整額は給料とみなす」と決められています)。給料だけに12.8%をかけると34,163円になってしまうので、自分で計算するときは注意してください。

💡 義務教育等教員特別手当は、号給が上がるにつれて少しずつ増える手当です。大阪府の規則では、高校の表は2級6〜9号給が1,800円、小中学校の表は2級14〜17号給が1,700円。2年目に昇給すると、どちらも100円上がります。

給料表はよその県と同じくらいなのに、初任給が高い理由

このブログで計算してきた県と、初任給と基本給(給料表の金額)を並べてみます。

都道府県初任給(大卒新卒・教諭)給料表の金額地域手当
大阪府317,916円266,900円12.8%(府内一律)
神奈川県315,303円265,400円12.5%(県内一律)
愛知県311,334円271,700円8%(名古屋市など)
埼玉県309,779円265,400円8.5%
兵庫県306,664円265,400円9.4%(神戸市など)
茨城県297,190円265,400円6%
福岡県295,518円265,400円5.4%

給料表の金額を見ると、大阪府の266,900円は、神奈川・埼玉・兵庫・茨城・福岡の265,400円と1,500円しか違いません。愛知県のほうが4,800円高いくらいです。それでも大阪府の初任給がいちばん高いのは、地域手当が府内どこでも12.8%つくからです。地域手当だけで月35,871円。福岡県(5.4%・約1.5万円)とは、ここで月2万円以上の差がつきます。

地域手当は、民間の賃金水準が高い地域に支給される手当です。大阪府は条例で「府の区域は12.8%」と決めているので、都市部でも郊外でも同じ割合です。兵庫県のように勤務地で3段階に分かれることはありません。

⚠️ 東京都の初任給は約329,200円(地域手当20%)で、大阪府より高くなります。ただし8都府県の比較記事で書いたとおり、40歳の年収では大阪府が1位、東京都は4位に入れ替わります。初任給だけでなく、給料表の伸び方もあわせて見てください。

学級担任は+3,000円。短大卒・大学院卒はいくら?

学級担任の上乗せは月3,000円

2026年1月から、学級担任の先生には特別手当に月3,000円が上乗せされています。大阪府の規則にも「学級を担任する業務に従事する教員には、3,000円を加えた額」と書かれています。担任をもつ新卒の教諭は、320,916円(小中学校は320,816円)になります。

兵庫県のように県独自の金額(+2,000円)にしているところもありますが、大阪府は国の基準どおりの3,000円です。

短大卒・大学院卒の初任給

学歴によってスタートの号給が変わります。大阪府の教員ポータルサイトに載っている金額(令和8年4月1日時点・諸手当込み)はこうです。

学歴小・中学校高校・支援学校
短期大学卒約291,000円約297,000円
四年制大学卒約317,000円約317,000円
大学院修士課程修了約329,000円約329,000円

民間企業で5年働いてから採用された場合の例も載っていて、大卒なら約342,000円。講師や会社員の経験は、年数に応じて号給に加算されます。

大阪市立・堺市立の学校は別採用

大阪市と堺市は政令指定都市なので、大阪市立・堺市立の小中学校・高校の教員は、それぞれの市が採用して、市の給料表で給料を払います。採用試験も、大阪府とは別です。

この記事の金額は、大阪府の採用(府立高校・支援学校と、大阪市・堺市以外の市町村立の小中学校)のものです。大阪市は2019年度から教員の初任給を独自に引き上げていて、府とは金額も内訳も違います。大阪市・堺市を受験する人は、それぞれの市の受験案内(最新年度)で確認してください。

1年目の手取りはいくら?

府立高校・支援学校の教諭の場合で、月給から社会保険料と税金を引いた手取りを計算しました。

項目金額
月給(額面)317,916円
共済掛金(年金・健康保険)約−44,500円
所得税約−5,100円
住民税0円
手取り約268,300円

1年目は住民税がかからないので、手取りは額面の約84%です。住民税は「前の年の所得」で決まるので、学生だった1年目は0円。教員人生で、手取りの割合がいちばん高い時期です。

共済掛金は、会社員でいう厚生年金と健康保険にあたるものです。中身は給与から引かれる「共済掛金」って何?で解説しています。

1年目のボーナスは、夏が3割・冬が満額

大阪府の教員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は、令和7年度の実績で年4.65か月分です。ただし1年目の6月は満額出ません。

6月のボーナスは「前の年の12月2日〜6月1日」の半年間に、どれだけ在職していたかで決まります。4月1日採用の新人は2か月しか在職していないので、ふつうの30%になります。

時期支給の割合額面の目安手取りの目安
1年目の6月ふつうの約3割約22.0万円約17.8万円
1年目の12月満額約73.5万円約59.4万円
2年目以降満額(年4.65か月分)約147万円+昇給分—

ボーナスの計算のもとになるのは、給料+教職調整額+地域手当(316,116円)です。特別手当は入りません。自分の金額は教員ボーナス計算ツールで計算できます。

この結果、1年目(4月〜翌3月)の年収は、約477万円になります。府が公表しているモデル年収「23歳 教諭 478万円」と、ほぼ同じです。

2年目の6月、手取りが減る——住民税のスタート

大阪府の昇給日は毎年1月1日です。採用2年目の1月に、高校の表なら2級13号給、小中学校の表なら2級21号給(どちらも268,800円)に上がり、同じ2027年1月には教職調整額も6%に上がる予定です。なのに、2年目の6月の給与明細では手取りが減ります。

時期月給(額面)住民税手取りの目安
1年目(4月〜12月)317,916円0円約268,300円
2年目の1月〜5月323,299円0円約272,700円
2年目の6月〜323,299円約14,100円約258,600円
3年目の6月〜(昇給後)約22,800円—

原因は住民税です。住民税は「前の年(1月〜12月)の所得」で計算されて、翌年の6月から毎月の給料から引かれます。1年目の4月〜12月に働いた分の住民税が、2年目の6月から始まるわけです。

2年目の6月の手取りは、1年目より月1万円ほど少なくなります。さらに3年目は、1年まるごと働いた2年目の所得で住民税が計算されるので、もう一段上がって月2万円を超えます。

💡 2年目の月給323,299円は、1月の昇給(2級13号給・268,800円)と、教職調整額6%(2027年1月〜の予定)、特別手当1,900円で計算した金額です。小中学校は特別手当が1,800円で323,199円。今後の勧告で給料表が変われば、ここも変わります。

6月ごろ職場で配られる「住民税の決定通知書」には、年収や控除がまるごと載っています。見かたは住民税の課税通知書の記事でどうぞ。

よくある質問

Q. 大阪府の初任給は、全国で何番目に高いですか?

A. このブログで公式資料を確認できた都府県の中では、東京都(約329,200円)に次いで2番目です。給料表の金額はよその県とほぼ同じで、差はほとんど地域手当12.8%によるものです。

Q. 講師の経験や、会社員の経験があると、初任給は上がりますか?

A. 上がります。経験の年数に応じて号給が加算されます。府のポータルサイトでは「民間企業で5年勤務した大卒」の例が約342,000円。何号給になるかは経歴によるので、採用が決まったあとに届く通知で確認してください。

Q. 住居手当や通勤手当はどのくらいですか?

A. この記事の金額には入れていません。住居手当は、一定額を超える家賃を払っている人に最大2万8千円、通勤手当は通勤方法と距離に応じて支給されます。扶養手当もあります。一人暮らしで賃貸なら、手取りはこの記事の金額より2万円ほど増える計算です。

Q. 55歳をすぎても昇給しますか?

A. 原則として昇給しません。大阪府の条例で、55歳になった年度の次の年度からは昇給の号給数がゼロと決められています。くわしくは大阪府の教員の給料表の記事で説明しています。

Q. 初任給は毎年変わりますか?

A. 変わります。毎年秋の人事委員会の勧告で給料表が改定されるほか、教職調整額が2031年まで毎年1%ずつ上がる予定です。この記事は令和8年の勧告が出る前の金額なので、受験する年の最新の案内も必ず確認してください。

まとめ

✅ 大阪府の教員の初任給、3行まとめ

・大卒新卒の教諭の初任給は317,916円(小中学校は317,816円)。給料266,900円+教職調整額5%+地域手当12.8%+特別手当
・給料表はよその県と1,500円差なのに、府内一律12.8%の地域手当で初任給は月1万円以上高い。学級担任なら+3,000円
・1年目の手取りは月約26.8万円。夏のボーナスは約3割で、2年目の6月から住民税が始まり手取りが減る

「うちの県の初任給も知りたい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ。公式資料を確認して、順番に記事にしていきます。

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出典(公式データ)