「大阪の先生って、40歳でいくら?」に答えてみる
前回、東京の教員の給料が高い理由(地域手当の話)を書いたところ、「じゃあ自分の地域は実際いくらなの?」という声をいくつかいただきました。
たしかに、ネットで「教員 年収」と調べても、全国の平均値やざっくりした目安ばかりで、「○○府の○歳で、給料・手取り・ボーナスはいくら」と具体的な金額まで出している記事って、意外と見当たりません。私自身が知りたかったので、調べてみました。
今回はその第1弾として、大阪府の公立高校教員・40歳のモデルを、大阪府が公表している公式の「モデル年収」データをもとに、給料から手取りまで具体的な金額で出してみます。
💡 この記事でわかること
・大阪府の高校教員、40歳の額面年収はいくらか
・手取りにすると、いくら残るのか
・給料・地域手当・ボーナスの内訳
・額面から何が、いくら引かれているのか
結論:40歳で額面 約724万円・手取り 約555万円
先に答えからいきます。大阪府の公式モデル(高等学校等の教育職)では、教諭の年収が35歳で約664万円・45歳で約785万円と公表されています。そのちょうど中間=40歳は、おおよそ次のイメージです。
| 項目 | 金額(年・概算) |
|---|---|
| 額面年収(税込) | 約 724万円 |
| └ うち 毎月の給与(12ヶ月分) | 約 516万円 |
| └ うち ボーナス(年4.6ヶ月+加算) | 約 208万円 |
| 差し引かれるもの(社会保険+税) | 約 170万円 |
| 手取り年収 | 約 555万円 |
ざっくり、「40歳・額面724万・手取り555万」。月の手取りにすると33〜34万円、それに加えてボーナスが年2回、という感じです。手取り率はおよそ77%。額面の2割強が、社会保険料と税金で引かれている計算です。
内訳① 毎月の給料と「地域手当」
まず毎月の給与から。40歳モデルの内訳はこうなります。
| 項目 | 月額(概算) |
|---|---|
| 給料(基本給) | 約 385,000円 |
| 地域手当(給料の約12%) | 約 45,000円 |
| 給与月額(手当込み) | 約 430,000円 |
ここで前回の記事のおさらいですが、教員の給料は「基本給+地域手当」が土台です。地域手当は、その地域の物価・賃金水準に応じた上乗せ。大阪府は全国でもトップクラスに高い地域で、東京(特別区)に次ぐ水準です。
📌 大阪は「地域手当が高い」県です。基本給だけ見れば地方とそう変わりませんが、そこに地域手当が上乗せされることで、月給・ボーナスの両方がかさ上げされます。地域手当ゼロの県と比べると、年収ベースでははっきり差がつきます。
内訳② ボーナスは年4.6ヶ月
次にボーナス(期末・勤勉手当)。大阪府の公式モデルでは年間4.60ヶ月分。40歳モデルだと、年間で約208万円(税込)になります。「月額×4.6ヶ月」の単純計算より少し多くなるのは、教員のボーナスには役職段階別加算(数%)が上乗せされるためです。
ポイントは、ボーナスも「給料+地域手当」をベースに計算されること。つまり地域手当は、毎月の給与だけでなくボーナスにも効いてくるので、地域手当が高い大阪はここでも有利に働きます。
「教員のボーナスって安定してていいよね」とよく言われます。たしかに民間のように大きく増減しない安心感はあります。ただし額面と手取りはけっこう違うので、次でそこを見ていきます。
額面→手取り 引かれるものの中身
いちばん知りたいのは「結局いくら残るの?」ですよね。額面724万円から引かれるのは、大きく分けて2つです。
| 引かれるもの | 年額(概算) | 中身 |
|---|---|---|
| 社会保険料(共済掛金) | 約 105万円 | 年金 約9.15% + 健康 約4.5% + 介護 約0.9% |
| 所得税・住民税 | 約 65万円 | 給与・ボーナスにかかる税金 |
| 合計 | 約 170万円 | — |
教員(公立学校)は、健康保険・年金が「公立学校共済組合」です。さらに40歳になると「介護保険料」が上乗せされます。今回のモデルがちょうど40歳なので、この介護分も含めています。
結果、手取りはおよそ555万円。月にならすと、毎月の手取りが33〜34万円、ボーナスの手取りが年2回で計150万円台、というイメージです。
読むときの注意(前提とこれからの変化)
数字を一人歩きさせないために、前提を正直に書いておきます。
- 40歳は「補間値」:大阪府の公式モデルは35歳・45歳で公表されているため、40歳はその中間として概算しています。
- 手取りは家族構成で変わる:今回は「配偶者あり・子は16歳未満(扶養控除の対象外)」を想定。独身ならもう少し税が増え、手取りは下がります。逆に控除が多ければ手取りは増えます。
- 住居手当・通勤手当などは含めていません:実際はここに各種手当が加わります(持ち家・賃貸でも変わります)。
⚠️ 地域手当は「これから上がる」可能性
2024年(令和6年)の制度見直しで、地域手当は「都道府県単位」に再編され、大阪府は国基準で16%に位置づけられました。現在は移行期で段階的に変わっていく途中です。つまり今回の数字は「現時点の概算」であり、今後さらに上振れする可能性があります。
まとめ
✅ この記事のまとめ(大阪府・高校教員・40歳モデル)
・額面年収 約724万円(毎月の給与 約516万+ボーナス 約208万)
・手取り年収 約555万円(手取り率 約77%)
・毎月の給与は手当込みで約43万円、月の手取りは33〜34万円
・引かれるのは社会保険(共済)約105万+税 約65万=約170万円
・大阪は地域手当が高い県。月給もボーナスもかさ上げされる
・数字は公式モデルをもとにした概算。家族構成・手当・制度改正で変動します
「40歳でいくら」が具体的にイメージできると、これからの家計設計(教育費・住宅・老後)がぐっと立てやすくなります。安定している教員の収入だからこそ、その先の「どう使い、どう増やすか」が効いてきます。
このシリーズ、最終的には47都道府県ぜんぶを比べてみたいと思っています。「あなたの自治体の数字と違う!」というのがあれば、ぜひX等で教えてください。みんなで作る"教員の給料マップ"にできたらいいなと思っています。
※出典・データの根拠:大阪府「職員のモデル年収額」(令和7年4月1日現在)/地域手当の改正は人事院 令和6年給与勧告/社会保険料率は公立学校共済組合の掛金率(令和7年度)をもとに概算。金額は前提条件により変動します。