「教員なのに不動産投資?」という誤解

私が不動産投資を始めたとき、職場の同僚に話すと「えっ、危なくない?」「先生がそんなことして大丈夫なの?」という反応が返ってきました。

でも実際に学んでみると、教員は不動産投資との相性がかなり良いことがわかりました。むしろ「教員だからこそ向いている」と感じる部分が多い。

この記事では、私が実際に不動産投資をやってみて感じた「教員に向いている理由」を5つに整理して解説します。「始めるべきか迷っている」「興味はあるけど不安」という方に向けて、できるだけ具体的に書きます。

理由①:銀行融資の審査に圧倒的に通りやすい

POINT 01

公務員・教員は「属性が高い」と評価される

銀行が融資審査で重視するのは「この人はちゃんと返済できるか」という信用力。安定した雇用・給与の継続性という点で、公務員・教員は非常に高く評価されます。

不動産投資で物件を購入するとき、多くの人は銀行からお金を借ります(融資を使う)。この融資審査において、公務員・教員は一般の会社員よりも圧倒的に有利です。

なぜ教員は融資審査に有利なのか

💡 「属性が高い」ということは何を意味するか:融資を受けやすいだけでなく、金利が低くなる・借入期間を長くしてもらいやすいというメリットがあります。同じ物件を買っても、毎月の返済額が変わります。これは非常に大きなアドバンテージです。

具体的にどのくらい違うのか

項目 一般の会社員 公務員・教員
融資審査の通りやすさ 普通 比較的通りやすい
適用金利(目安) やや高め 低め(交渉余地あり)
借入期間 標準 長期も認められやすい
融資額 年収の8〜10倍程度 それ以上になることも

もちろん、金融機関・物件・個人の状況によって異なります。ただ「出発点として有利なポジションにいる」ことは確かです。

⚠️ 有利=なんでも通る、ではありません:属性が高くても、物件の収益性・自己資金の割合・既存の借入状況によっては審査に通らないことも。「通りやすい」はあくまで相対的なメリットです。

理由②:借入を抑えれば、空室でも給与が保険になる

POINT 02

借入を抑えるほど、給与が「本物の保険」になる

不動産投資最大のリスクは「空室」。借入を最小限にしておけば、空室期間でも本業の給与だけで生活が回ります。焦って相場より安い家賃で入れてしまう失敗を防げます。

不動産投資で怖いのは空室リスクです。入居者がいなければ家賃収入はゼロ。ローンがある場合は返済だけが続きます。

ここで大切なのは、「借入額をどれだけ抑えられるか」です。借入が多いほど、空室時の精神的・金銭的プレッシャーは大きくなります。逆に、無借金または少額融資で始めれば、教員の安定した給与が本当の意味での「保険」として機能します。

実際に私も空室期間が約半年続きました。正直、少し焦りはありました。ただ、私は無借金での購入だったので、生活への支障はゼロ。「本業の給与があるから今月も大丈夫」という安心感が、冷静な判断を保てた一番の理由だと思っています。

もしこれがローンありだったら——と考えると、精神的にかなり厳しかったと思います。借入額を抑えること、できれば無借金で始めることが、空室リスクへの一番の対策だと私は感じています。

借入額別・空室時の精神的・金銭的余裕の違い

状況 高額ローンあり 少額融資 or 無借金(教員)
空室2ヶ月目 焦りが出始める まだ余裕がある
空室4ヶ月目 無理に値下げしがち 冷静に戦略を練れる
修繕費が発生 資金ショートのリスク 給与で対応できる

💡 借入を抑えるほど、教員の給与が活きる:不動産投資は短期で稼ぐものではありません。10年・20年単位で保有しながら、家賃収入と資産価値の変化を享受するもの。その間の「耐える力」は、借入を抑えれば抑えるほど強くなります。安定収入のある教員だからこそ、無理な融資を使わずに始める選択肢が取りやすいと言えます。

理由③:公務員でも合法で認められる副収入

POINT 03

「5棟10室未満」なら副業規定に抵触しない

公務員は副業が原則禁止ですが、不動産収入は「事業的規模」でなければ認められています。一定の条件を守れば、教員でも合法的に家賃収入を得ることができます。

「教員は副業禁止じゃないの?」という疑問を持つ方は多いです。確かに、地方公務員法では副業が原則として制限されています。

ただし、不動産投資には例外があります。

公務員の不動産投資が認められる条件(目安)

📋 「事業的規模」に該当しなければ副業規定に抵触しない

不動産投資が「事業」とみなされない目安:
・戸建て・アパート所有:5棟未満
・区分マンションなどの室数:10室未満
・年間家賃収入:500万円未満(一般的な目安)

※ 勤務先・自治体によって判断が異なる場合があります。必ず事前に所属先に確認することを推奨します。

私は1棟(戸建て1件)の所有です。「事業的規模」には明らかに該当しないため、副業規定の問題はありません。

⚠️ 必ず事前に所属先へ確認を:「目安」として5棟10室が語られることが多いですが、自治体・学校法人・私立等によって解釈が異なります。始める前に所属先(教育委員会・学校)への届出・確認を必ず行ってください。「グレーのまま進める」のは後でトラブルになります。

理由④:管理会社に任せれば本業と両立できる

POINT 04

不動産投資は「仕込み後」は手がかからない

物件購入・管理会社との契約が済めば、日常的な入居者対応・修繕手配は管理会社が行います。忙しい教員でも、本業に支障なく続けられる投資方法です。

教員は本当に忙しい。授業・部活・保護者対応・学校行事——副業に使える時間は限られています。

その点で、不動産投資は「購入後は管理会社に任せる」という運用が可能です。株のように毎日チャートを見る必要もなく、売買のタイミングを常に考える必要もありません。

管理会社に任せられること

私の場合は少し違うやり方をしました。管理会社を最初から決めるのではなく、複数の客付業者(仲介会社)に入居者探しをお願いして、決めてくれた業者にそのまま管理もお願いする、という流れを取りました。

実際には自分の足で客付業者を16件まわってお願いして歩きました。大変といえば大変ですが、これは入居が決まるまでの一時的な作業です。入居者が決まってしまえば、あとは管理会社が動いてくれる。そう考えると、許容できる手間だと感じています。

管理費用は一般的に家賃の5〜8%程度です。私が今回お願いした管理会社は、戸建て一律5,000円でした。家賃78,000円に対して5,000円なので、約6.4%。この費用を払えば、オーナーとしての主な仕事は「毎月の収支確認と年1回の確定申告」だけになります。

💡 「忙しい」は言い訳にならない:株式投資やFXは毎日の監視が必要ですが、不動産投資は「入居者がつけば仕組みが回る」状態を作れます。本業が最優先の教員にとって、この「ほったらかし運用」ができる点は大きなメリットです。

理由⑤:退職後の収入の柱になる

POINT 05

「年金+家賃収入」という老後設計

教員の退職金・年金は以前より減少傾向にあります。現役時代に不動産を仕込んでおけば、退職後も毎月安定した家賃収入が入り続ける「もう一本の柱」が作れます。

教員の退職金は、かつては3,000万円以上が普通でした。しかし近年は削減が続き、新卒から続けても2,000万円台になっているケースが増えています。年金もマクロ経済スライドにより実質的に目減りしていく見込みです。

私自身は一度退職して現在の職場に移っているため、退職金の一部はすでに受け取っています。今後は、いつ・どのタイミングで退職するかによって受け取れる額が変わります。通常の「新卒からずっと続けた場合」よりも少なくなることは間違いありません。だからこそ、家賃収入という別の柱を作っておくことへの必要性を、人一倍感じています。

📊 退職後の収入イメージ(例)

・公務員の厚生年金(夫婦合計):月20〜25万円程度
・家賃収入(戸建て1棟・無借金or完済後):月5〜8万円
──────────────────
合計:月25〜33万円程度

無借金で始めるか、現役中にローンを完済しておけば、退職後は「純粋な収入」として家賃が入り続けます。

現役時代に物件を仕込んでおくことで、退職時には「毎月の家賃収入」という別の柱が残ります。無借金で始めた場合はそのまま純収入になり、融資を使った場合も現役中の完済を目指せば同じ状態に近づけます。退職金を取り崩すのではなく、家賃が補ってくれる老後設計です。

教員人生が終わっても、物件は働き続けてくれる。それが不動産投資の一番の魅力だと、私は今も感じています。

教員が不動産投資をする際の注意点

「向いている」とは言いましたが、リスクを正直に書かないのは私のスタンスに合わないので、注意点も書きます。

①まず副業規定を必ず確認する

前述のとおり、所属先によって判断が異なります。「5棟10室未満なら絶対に大丈夫」ではなく、必ず自分の所属先に届出・確認をしてください。

私は以前の校長先生に直接相談しに行きました。「規定の範囲内なら問題ない。増えそうになったら奥さん名義にする手もある」とアドバイスまでいただきました。「周りにも結構いるよ」とも。

ただ、これは「相談できる相手だったから」です。今の職場でこの話をするつもりはありません。人を見て、タイミングを見て相談することが大切だと思っています。校長先生のスタンスによって、対応は全然違います。

②「融資が通りやすい」と「買っていい物件がある」は別の話

属性が高くても、物件選びを間違えれば赤字になります。表面利回りだけで判断せず、実質利回り・空室リスク・修繕リスクを考えた上で判断すること。「融資が通った=買うべき」ではありません。

③確定申告が毎年必要になる

不動産収入がある場合は、毎年確定申告が必要です。給与所得のみだった教員には、ここが意外なハードルになることがあります。ただし、慣れれば年1回の作業です。経費として計上できるものが多いため、節税にもなります。

④「楽して稼ぐ」は幻想。勉強と覚悟が必要

管理会社に任せると言っても、最終判断はオーナーです。家賃設定・リフォームの判断・売却タイミング——これらはオーナーが決めます。最低限の知識なしに始めると、管理会社の言いなりになり損をする可能性があります。

⚠️ 不動産投資で失敗する典型例:「教員だから融資が通った」という理由だけで、収益性を検証せずに物件を買ってしまうこと。融資が通ることと、儲かることは全く別の話です。

私の同僚に、不動産投資をしている人がいます。月1〜2万円程度の利益で、数千万円の借金を抱えていると言っていました。「節税が目的だから」とのことでした。

正直、これは筋が悪いと私は思っています。節税とは、利益が出ていてその収入に対する税金を抑えることのはず。損をしながら「節税になった」と言っても、トータルでマイナスなら意味がない。

さらにその後、その同僚は自宅の住宅ローンを組もうとしたとき、「不動産投資のローンを抱えていて、しかも節税で所得が低く見えている」ために、住宅ローンの金利を高く設定された、と話していました。不動産投資の影響が、予想外の場面に波及していた例です。

まとめ

📌 教員が不動産投資に向いている5つの理由

  • 理由①:銀行融資の審査に通りやすい(属性が高い・低金利・長期融資)
  • 理由②:借入を抑えれば、空室でも給与が保険になる(無借金or少額融資が理想)
  • 理由③:5棟10室未満なら副業規定に抵触しない(合法的な副収入)
  • 理由④:管理会社に任せれば本業と両立できる(ほったらかし運用が可能)
  • 理由⑤:退職後も家賃収入という柱が残る(年金+家賃の老後設計)

「向いている」と「成功する」は別の話です。ただ、出発点として有利な条件を持っているのは事実。あとはそれを活かすために学び、慎重に動くだけです。

私自身もまだ1棟目を運用中の身。「不動産投資で成功した人」ではなく、「不動産投資を学びながら続けている教員」として、これからも経験を発信していきます。

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