こんにちは、けいです。
匿名の質問箱に、こんな質問をいただきました。「神戸市の講師と教諭の給与の差は、どのくらいなのか? 講師と教諭のそれぞれのスタートと上限の給与と年収を教えてください」——神戸市立の学校は、兵庫県とは別の給料表で動いているので、県の記事の数字はそのまま使えません。
答えを先に言うと、神戸市立の小中学校では、講師(臨時的任用)は大卒1年目の額面が月300,192円、上限は月377,609円(45歳で頭打ち)。教諭は1年目312,976円、表の上限は507,270円(実際は55歳で昇給が止まるので約50万円)です。差は22歳で月1.3万円、45歳で月9.7万円、年収では約160万円です。
この記事では、神戸市の条例・規則と、市が公表している初任給の金額をもとに、スタートと上限の給料・額面・年収、年齢ごとの差を整理しました。計算した初任給は、市が公表している金額と1円単位で一致しています。
📌 この記事でわかること
- 神戸市の講師と教諭の「スタート」の給料・額面・手取り・年収
- 講師と教諭の「上限」の給料・額面・年収(55歳で止まるしくみ)
- 22歳から55歳まで、同じ年齢で月いくら・年収いくら違うか(表)
- 神戸市と兵庫県の講師の違い(地域手当12%・担任加算のしくみ)
- 講師を続けるときに知っておきたいこと(任期・ボーナス・経歴の加算)
結論:スタートと上限、講師と教諭の差
| 項目(小中学校・大卒・学級担任あり) | 講師(臨時的任用・1級) | 教諭(2級) |
|---|---|---|
| スタートの給料(号給) | 252,800円(1級21号給) | 263,500円(2級17号給) |
| スタートの額面(月) | 300,192円 | 312,976円 |
| スタートの年収(目安) | 約498万円 | 約520万円 |
| 上限の給料(号給) | 317,100円(1級113号給) | 425,400円(2級173号給) |
| 上限の額面(月) | 377,609円 | 507,270円 |
| 上限の年収(目安) | 約627万円 | 約841万円(55歳で止まる実質の上限は約829万円) |
| 上限に届く年齢(大卒22歳・ふつうの昇給) | 45歳ごろ | 55歳で昇給停止(表の上限には届かない) |
| 同じ年齢での差(額面) | 22歳 12,784円 → 30歳 38,838円 → 40歳 81,756円 → 45歳 97,091円 → 55歳 122,505円 | |
「講師」は、神戸市教育委員会が任用する臨時的任用の講師(教育職給料表(5)の1級)のことです。非常勤講師(時間給)は別のしくみなので、この記事では扱いません。
📰 金額は、神戸市が「2025年度給与ベース」として公表している今の給料表で計算しています。神戸市人事委員会は2026年9月16日に、月例給を平均3.59%引き上げる勧告を出しているので、条例が改正されるとどの金額も少し上がります(第7章)。
神戸市は兵庫県と別の給料表——計算の前提
神戸市立の小中学校・特別支援学校の先生は、2017年度から神戸市が給料を払っています(政令指定都市への権限移譲)。だから給料表も手当も、兵庫県とは別です。この記事の計算に使った神戸市のルールは次のとおりです。
| 項目 | 神戸市のルール |
|---|---|
| 給料表 | 教育職給料表(5)(小中学校・特別支援学校用)。講師は1級、教諭は2級 |
| 初任給の号給 | 講師(任期あり・大卒)1級21号給/教諭(大卒)2級17号給/講師(短大卒)1級13号給 |
| 教職調整額 | 給料の5%(2026年1月〜。2027年から毎年1%ずつ上がって2030年に9%、その後10%) |
| 地域手当 | 12%(市内一律。給料+教職調整額に掛ける) |
| 教員特別手当 | 級と号給で決まる定額(1級21号給1,600円〜113号給3,100円、2級17号給1,800円〜) |
| 学級担任の加算 | 教員特別手当に給料の0.5%(100円単位)を上乗せ(2026年1月〜) |
| ボーナス | 年4.65か月分(勧告どおりなら4.70か月分) |
| 昇給 | ふつうの評価で1年に4号給。55歳に達した後は、勤務成績が特に良好な場合を除いて昇給なし |
兵庫県との大きな違いは2つ。地域手当が12%で県(4.4〜9.4%)より高いこと、そして学級担任の加算が「定額2,000円」ではなく「給料の0.5%」だということです。
スタート:講師と教諭の初任給と年収
大卒1年目、学級担任ありの額面を内訳つきで並べます。どちらも、神戸市が公表している初任給(講師300,192円・教諭312,976円)と1円単位で一致しました。
| 内訳 | 講師(1級21号給) | 教諭(2級17号給) |
|---|---|---|
| 給料 | 252,800円 | 263,500円 |
| 教職調整額(5%) | 12,640円 | 13,175円 |
| 地域手当(12%) | 31,852円 | 33,201円 |
| 教員特別手当 | 1,600円 | 1,800円 |
| 学級担任の加算(給料の0.5%) | 1,300円 | 1,300円 |
| 額面の合計 | 300,192円 | 312,976円 |
| 手取りの目安 | 約25.4万円 | 約26.4万円 |
| ボーナス(年4.65か月) | 約138万円 | 約144万円 |
| 年収の目安 | 約498万円 | 約520万円 |
スタート時点の差は月12,784円、年収で約21万円です。教員特別手当は号給で決まるので、講師と教諭で200円しか違いません。差のほとんどは「1級21号給と2級17号給の給料の差(10,700円)」と、それに連動する手当です。
💡 神戸市の講師の初任給300,192円は、兵庫県の講師(勧告どおりなら294,741円・地域手当4.4%)より5,000円ほど高くなります。給料表の金額は県のほうが高いのに、地域手当12%で逆転しています。
上限:講師は1級113号給、教諭は55歳で止まる
講師の1級は113号給で終わりです。教諭の2級は173号給までありますが、55歳以降は原則昇給しないので、表の上限には届きません。
| 項目 | 講師の上限(1級113号給) | 教諭・表の上限(2級173号給) | 教諭・55歳で止まる実質の上限(2級149号給) |
|---|---|---|---|
| 給料 | 317,100円 | 425,400円 | 419,400円 |
| 教職調整額(5%) | 15,855円 | 21,270円 | 20,970円 |
| 地域手当(12%) | 39,954円 | 53,600円 | 52,844円 |
| 教員特別手当+担任加算 | 3,100円+1,600円 | 4,900円+2,100円 | 4,800円+2,100円 |
| 額面の合計 | 377,609円 | 507,270円 | 500,114円 |
| ボーナス(年4.65か月) | 約173万円 | 約233万円 | 約229万円 |
| 年収の目安 | 約627万円 | 約841万円 | 約829万円 |
講師の上限は、ふつうの昇給(1年に4号給)なら、大卒22歳で1級21号給からスタートして45歳ごろに届きます(113−21=92号給÷4=23年)。そのあとは号給が上がらないので、給料表の改定がない限り額面は増えません。
教諭は、同じペースだと55歳で2級149号給(419,400円)。ここで昇給が止まるので、実際の上限は額面500,114円・年収約829万円です。表の上限の2級173号給は、評価が特に高い人や、上の号給からスタートした人でないと届きません。
年齢別:差は年々開く(表)
大卒22歳でスタートし、毎年4号給ずつ上がった場合の額面と年収を、同じ年齢で並べました(学級担任あり・地域手当12%)。
| 年齢 | 講師(1級)額面/年収 | 教諭(2級)額面/年収 | 差(月) | 差(年収) |
|---|---|---|---|---|
| 22歳 | 300,192円/498万円 | 312,976円/520万円 | 12,784円 | 約21万円 |
| 25歳 | 314,840円/523万円 | 330,210円/548万円 | 15,370円 | 約25万円 |
| 30歳 | 338,154円/561万円 | 376,992円/626万円 | 38,838円 | 約64万円 |
| 35歳 | 355,841円/591万円 | 418,464円/694万円 | 62,623円 | 約104万円 |
| 40歳 | 369,765円/614万円 | 451,521円/749万円 | 81,756円 | 約136万円 |
| 45歳 | 377,609円/627万円(上限) | 474,700円/787万円 | 97,091円 | 約161万円 |
| 50歳 | 377,609円/627万円(上限のまま) | 492,505円/817万円 | 114,896円 | 約190万円 |
| 55歳〜 | 377,609円/627万円(上限のまま) | 500,114円/829万円(昇給停止) | 122,505円 | 約203万円 |
差が開く理由は、1号給あたりの上がり幅です。30歳をすぎると、講師の1級は1年(4号給)で2,000〜3,000円しか上がらないのに、教諭の2級は7,000〜8,000円上がります。しかも地域手当12%とボーナスが給料に連動するので、額面と年収ではその差がさらに大きくなります。
教諭の給料(基本給)で見ると、差は22歳10,700円 → 30歳32,600円 → 40歳68,500円 → 45歳81,200円 → 55歳102,300円です。
兵庫県の講師とどう違う?
同じ「兵庫県内の講師」でも、神戸市立と県立(神戸市立以外の小中学校)では数字が違います。
| 項目 | 神戸市立(今の表) | 兵庫県(勧告どおりの場合) |
|---|---|---|
| 講師のスタートの給料 | 1級21号給 252,800円 | 1級21号給 265,500円 |
| 講師のスタートの額面(担任あり) | 300,192円(地域手当12%) | 294,741円(地域手当4.4%)/308,679円(9.4%) |
| 講師の上限の給料 | 1級113号給 317,100円 | 1級113号給 327,600円 |
| 講師の上限の額面(担任あり) | 377,609円 | 364,315円(4.4%)/381,514円(9.4%) |
| 学級担任の加算 | 給料の0.5%(1,300〜1,600円) | 定額2,000円 |
| 上限に届く年齢 | 45歳ごろ | 45歳ごろ |
給料表の金額は県のほうが高いのですが、地域手当12%がきいて、額面では神戸市立のほうが高めになります。ただし県は10月の勧告どおりに改定された場合の金額、神戸市は改定前の金額なので、神戸市の勧告が反映されるとこの差は縮まります。
兵庫県の講師の数字は、兵庫県の講師の初任給と兵庫県の講師の給料の上限の記事にまとめています。
今年の勧告で、この先どう変わる?
神戸市人事委員会は2026年9月16日に、市の職員の月例給が民間より15,465円(3.59%)低いとして、給料表の引き上げと、ボーナスを4.65か月分から4.70か月分に上げる勧告を出しました。教育職の給料表の改定額はまだ公表されていませんが、行政職と同じ考え方で改定されるとすれば、この記事の金額は数千円〜1万円ほど上がる見込みです。
- 給料表の改定は2026年4月にさかのぼって適用される予定(条例の改正後に差額が支給される)
- ボーナスは2026年12月の分から0.05か月分増える予定
- 教職調整額は2027年1月から6%に上がる(毎年1%ずつ)
条例が改正されて新しい給料表が公表されたら、この記事の数字を差し替えます。
講師を続ける人が知っておきたいこと
- 任期は原則6か月。 神戸市の臨時的任用は、産休・育休などの代わりに任用され、任期は原則6か月(更新あり)です。年度の途中で配置先が変わることもあります。
- ボーナスは在職期間で減る。 6月1日・12月1日に在職していることが条件で、その前6か月の在職期間に応じて減額されます。年度の途中からの任用だと、この記事の年収より下がります。
- 経歴は申告しないと加算されない。 前の学校での講師の経験や民間での職歴は、在職証明書を任用日の前日までに教職員給与課に出すと号給に加算されます。出さないと、初任給もその後の給料も不利になります。61歳以上は経歴の加算がありません。
- 45歳で頭打ち。 講師のまま続けると、45歳ごろに1級113号給で止まります。教諭は55歳まで上がり続けるので、差は年収で200万円まで開きます。
給料の面だけで言えば、教員採用試験に合格して教諭になることが、いちばん大きな「昇給」です。講師の経験年数は、合格後の初任給の号給に加算されるので、講師の年数が無駄になることはありません。
よくある質問
Q. 神戸市立の高校の講師も同じ金額ですか?
A. 違います。高校は教育職給料表(2)という別の表で、神戸市が公表している講師の初任給は大卒で294,060円(小中学校より低め)です。この記事は小中学校・特別支援学校(教育職給料表(5))の金額です。
Q. 講師の初任給は、誰でも300,192円ですか?
A. 大卒で、経歴の加算がない場合の金額です。前の講師経験や職歴があると、在職証明書を出せば号給が上がります。短大卒は1級13号給(281,882円)からです。
Q. 学級担任でない場合はいくらですか?
A. 担任の加算(給料の0.5%=1,300円)がなくなるので、講師のスタートは298,892円、教諭は311,676円です。
Q. 上限に届いたら、そのあと給料はまったく上がりませんか?
A. 号給は上がりません。ただし、毎年の勧告で給料表そのものが改定されると上限の金額も変わります。教職調整額の引き上げ(毎年1%)でも額面は増えます。
Q. 神戸市の講師から県の講師に移ると、経験は引き継がれますか?
A. 号給の加算は、それぞれの任命権者の規則で経歴を換算するので、申告すれば反映されるのが基本です。ただし神戸市の規則では「他の地方公共団体から引き続いて採用された場合でも在職期間は通算されません」とあり、これは退職手当の在職期間の話です。給料の号給と退職手当は別なので、採用時に確認してください。
まとめ
✅ 神戸市の講師と教諭の給料の差、3行まとめ
・スタート(大卒1年目・担任あり)は講師300,192円・教諭312,976円で、差は月1.3万円・年収で約21万円
・上限は講師が1級113号給で額面377,609円(年収約627万円・45歳で頭打ち)、教諭は55歳で止まって額面500,114円(年収約829万円)。表の上限は507,270円
・差は年々開いて、45歳で月9.7万円・年収約161万円、55歳で月12.3万円・年収約203万円。神戸市は地域手当12%なので、県の講師より額面は高め
質問をくださった方、ありがとうございました。神戸市の新しい給料表が出たら、この記事に追記します。
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出典(公式データ)
- 神戸市教育委員会「2026年度 臨時的任用教職員の勤務条件等の概要」——講師の初任給(小中学校・大卒300,192円、短大卒281,882円、高校・大卒294,060円。2025年度給与ベース)、任期(原則6か月)、期末・勤勉手当(最大4.65か月分・在職期間に応じた減額)、経歴の加算と在職証明書
- 神戸市「よくある質問:神戸市の教員の初任給はどのくらいですか?」——教諭の初任給(小・中学校・大卒312,976円。2025年度給ベース)
- 神戸市「職員の給与等に関する条例」——別表第3 教育職給料表(5)(1級1〜113号給・2級1〜173号給)、第8条(地域手当12%)、第4条第8項(55歳に達した後の昇給の制限)、第10条の5(教員特別手当)
- 神戸市「職員の初任給、昇給等の基準に関する規則」——別表第1 教育職給料表(5)初任給基準表(教諭〔大学卒〕2級17号給・講師〔任期あり・大学卒〕1級21号給・〔短大卒〕1級13号給)、第6条(経験年数の換算)、第18条・別表第5の1(昇給区分B=4号給)
- 神戸市人事委員会規則「教員特別手当に関する規則」——別表第3(教育職給料表(5):1級21〜24号給1,600円、113〜116号給3,100円、2級17〜20号給1,800円、149〜152号給4,800円、169号給〜4,900円)、第2条第2項(学級担任は給料月額の0.5%を加算)
- 神戸市「義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特別措置に関する条例」——教職調整額(2026年1月1日から5%、以後毎年1%ずつ引き上げ)
- 神戸市人事委員会「令和8年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(2026年9月16日)——月例給の較差15,465円(3.59%)、特別給4.65→4.70か月分
- ※年収・手取りは、独身・扶養なし・学級担任ありを前提にした概算です(教職調整額は給料の5%、地域手当は〔給料+教職調整額〕×12%で1円未満切り捨て、担任の加算は給料×0.5%を100円単位に丸め、ボーナスは〔給料+教職調整額+地域手当〕×4.65か月、手取りは共済掛金と所得税を引いた目安)。年齢別の表は大卒22歳で採用され毎年4号給昇給した場合で、実際の号給は経歴と評価で変わります。通勤手当・住居手当などは含めていません。2026年9月の勧告どおりに条例が改正されると金額は変わります(2026年10月23日確認)