こんにちは、けいです。

兵庫県の初任給の動画に、「特別支援学校や特別支援学級の先生は、給料が違うんですか?」という趣旨の質問をいただきました。進路で特別支援学校を考えている人や、来年から特別支援学級の担任になる人は、気になるところだと思います。

答えを先に言うと、違います。兵庫県では、特別支援学校の先生と特別支援学級の担任に「給料の調整額」という上乗せがあり、教諭なら月11,100円(特別支援学級の担任は11,000円)です。ただし、国の方針で2027年1月から2年かけて半分になる予定です。

この記事では、兵庫県の条例と規則の金額表をもとに、いくら上乗せされるのか、初任給や年収でどれだけ差がつくのか、これからどう変わるのかを整理しました。

📌 この記事でわかること

  • 「給料の調整額」とは何か——だれがもらえるのか
  • 兵庫県の金額(特別支援学校・特別支援学級、級ごとの一覧)
  • 新卒の初任給で比べると、通常学級の先生と月いくら・年いくら違うか
  • 2027年1月から半分になる予定と、その理由
  • 2026年に始まった「担任手当」との関係(特別支援は対象外)

結論:兵庫県の「給料の調整額」はいくら?

項目金額
特別支援学校の教諭(2級)の上乗せ月11,100円(定額)
特別支援学級の担任・通級指導の教諭(2級)の上乗せ月11,000円(定額)
新卒の初任給(特別支援学校・地域手当9.4%の勤務地)318,808円
同じ条件の通常学級の先生(担任なし)306,664円(差は月12,144円)
年収での差(地域手当・ボーナス分を含む)約20万円
これから2027年1月に約4分の3、2028年1月に半分(予定)

金額は「給料の何%」ではなく級ごとの定額です。新卒でもベテランでも、教諭なら同じ11,100円。だから若い先生ほど、給料に対する割合は大きくなります(新卒で給料の4.2%、40歳で2.9%)。

「給料の調整額」とは——だれがもらえるのか

兵庫県の条例(公立学校教育職員等の給与に関する条例)第14条には、こう書かれています。仕事の複雑さや責任の重さ、勤務の強度や環境が、同じ級のほかの職と比べて「著しく特殊な職」にある職員には、給料月額の25%を超えない範囲で、人事委員会規則で定める額を「給料の調整額」として支給する——。

先生の場合、だれが対象かは規則(第19条の4)で決まっています。

区分対象になる人
① 特別支援学校特別支援学校に勤務し、教育に直接従事することを本務とする職員(校長・教頭・教諭など)
② 特別支援学級・通級小中学校などの特別支援学級を直接担当し、主にその学級の指導に当たる職員。または、通級による指導(心身の故障に応じた特別の指導)に直接従事することを本務とする職員

ポイントは、免許の有無ではなく「どこで何を本務にしているか」で決まることです。通常学級の担任として発達障害のある子を受け持っていても、対象にはなりません。逆に、特別支援学校に勤務していれば、特別支援学校の免許がなくても対象です。

💡 この「給料の調整額」は、兵庫県だけの制度ではありません。国の制度をもとに全国の都道府県にあり、文部科学省は「給与月額の3%相当」と説明しています。ただし、具体的な金額は都道府県ごとに条例・規則で決めるので、県によって少しずつ違います。

もうひとつ大事なのは、条例で「給料」の一部として扱われることです(第2条)。つまり手当とは違い、地域手当やボーナスを計算するときの「もと」に入ります。この点はあとで数字で見ます。

兵庫県の金額表——級ごとの定額

規則の別表第14に、職務の級ごとの金額が載っています(2026年10月時点)。

職務の級(主な職)① 特別支援学校② 特別支援学級・通級
1級(講師・実習助手など)9,000円8,400円
2級(教諭・養護教諭・栄養教諭)11,100円11,000円
3級(主幹教諭)11,600円11,400円
4級(教頭)12,200円11,800円
5級(校長)13,300円12,900円

※2級の1〜6号給(特別支援学級は1〜5号給)だけは、10,530円〜11,074円と少し低い額が決められています。大卒の新卒教諭は2級17号給からなので、最初から11,100円です。

校種で見ると、特別支援学校のほうが100〜600円高くなっています。また、1級の講師にも調整額はあります(9,000円・8,400円)。

⚠️ 定額なので、給料が上がっても調整額は増えません。2級17号給(265,400円)の新卒なら給料の4.2%、30歳ごろ(320,100円)で3.5%、40歳ごろ(383,400円)で2.9%。「3%相当」という国の説明は、だいたい30代の先生の水準です。

新卒の初任給で比べる——月12,144円の差

大卒で新卒採用された教諭(2級17号給・独身)が、神戸市や西宮市など地域手当9.4%の学校に勤めた場合で計算しました。通常学級の初任給の内訳は兵庫県の教員の初任給の記事と同じ計算です。

内訳特別支援学校の教諭通常学級の教諭(担任なし)
給料(基本給)265,400円265,400円
給料の調整額11,100円—
教職調整額13,270円13,270円
地域手当(9.4%)27,238円26,194円
義務教育等教員特別手当1,800円1,800円
合計(月給・額面)318,808円306,664円

差は月12,144円。調整額の11,100円そのものに加えて、地域手当が(給料+調整額+教職調整額)×9.4%で計算されるので、1,044円ふくらみます。

特別支援学級の担任(調整額11,000円)なら、合計は318,698円です。

勤務地別の初任給

地域手当主な勤務地特別支援学校の教諭通常学級の教諭
9.4%神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市など318,808円306,664円
6.4%姫路市・明石市・川西市310,115円298,304円
4.4%そのほかの県内すべての市町304,319円292,731円

どの勤務地でも、差は月11,600円〜12,100円ほどです。

年収では約20万円——地域手当とボーナスにも効く

調整額は「給料」の一部なので、毎月の地域手当だけでなく、ボーナス(期末手当・勤勉手当、年4.65か月分)の計算にも入ります。1年分をまとめるとこうなります。

項目特別支援学校の教諭(新卒・9.4%の勤務地)
毎月の差(調整額11,100円+地域手当の増え分1,043円)12,143円 × 12か月 = 145,716円
ボーナスの差(12,143円 × 4.65か月)約56,500円
年収の差約20.2万円

新卒の年収でいえば、通常学級の先生の約460万円に対して、特別支援学校の先生は約480万円です(1年目の夏のボーナスが3割になる点は同じ)。

ちなみに、兵庫県の40歳の年収は兵庫の教員、40歳で年収いくら?で約710万円と計算しましたが、特別支援学校の先生なら、ここに年間約20万円が上乗せされるイメージです。

2027年1月から半分に——国の方針と兵庫県の決定

2025年4月、文部科学大臣が、この調整額を廃止ではなく半減する方針を示しました。理由は「通常の学級にも特別支援教育の対象となる子どもが増え、すべての先生が特別支援教育に関わる必要があるから」。残業代の代わりの教職調整額を4%から10%へ引き上げる改正とセットの見直しです。

兵庫県では、2025年11月の県教育委員会と教職員組合の交渉で、次のように決まりました。

時期水準(国の説明)教諭の調整額の目安(特別支援学校)
2026年(現在)3%相当11,100円
2027年1月1日〜2.25%相当約8,300円
2028年1月1日〜1.5%相当約5,550円

「目安」としたのは、兵庫県の規則の金額表は2026年10月の時点ではまだ現行の11,100円のままで、新しい金額はこれから改正されるからです。県教委は「給料の調整額は来年度も協議する」としているので、実際の金額は改正が公布されてから確認してください。

💡 文部科学省は「教職調整額の引き上げ(2026年1月から毎年1%ずつ、2031年に10%)と合わせると、先生ひとりの給与水準は毎年上がる」と説明しています。たしかに、教職調整額1%は新卒で2,654円・40歳で3,834円なので、1年で0.75%相当(約2,800円)減る調整額を上回ります。ただ、通常学級の先生と比べると、特別支援の先生の上がり幅は小さくなります。組合側は「特別支援学校・学級の負担は減っていない」と反対したうえで妥結しました。

担任手当(月2,000円)は、特別支援の先生には付かない

2026年1月から、学級担任の先生の特別手当に上乗せが始まりました。国の基準は月3,000円、兵庫県では月2,000円です。ところがこの上乗せは、給料の調整額をもらっている先生は対象外。特別支援学校の先生はもちろん、小中学校の特別支援学級の担任も付きません。

「調整額があるから、担任手当は要らないでしょう」という整理です。これを差し引きで見るとこうなります。

比べる相手2026年2028年1月〜(目安)
特別支援学級の担任 vs 通常学級の担任+11,000円 − 2,000円 = 月9,000円の差+5,500円 − 2,000円 = 月3,500円の差
特別支援学校の教諭 vs 通常学級の担任+11,100円 − 2,000円 = 月9,100円の差+5,550円 − 2,000円 = 月3,550円の差

※地域手当の増え分は省いています。2028年には、特別支援の先生と通常学級の担任の差は、月3,500円ほどまで縮まる計算です。

神戸市立の特別支援学校は別採用

神戸市は政令指定都市なので、神戸市立の学校の先生は神戸市が採用し、神戸市の給料表で給料を払います。神戸市の採用パンフレットの初任給(大卒・2025年度給与ベース)を見ると、特別支援学校は小・中学校より11,468円高くなっています。

神戸市立(大卒)初任給
小・中学校312,976円
高等学校314,822円
特別支援学校324,444円

この差が、神戸市の「給料の調整額」にあたります。神戸市も、2025年10月に「給料月額の3%程度から、2027年1月に2.25%、2028年1月に1.5%へ段階的に引き下げる」と組合に提案しており、県と同じスケジュールです。

よくある質問

Q. 特別支援学校の免許がないと、調整額はもらえませんか?

A. 免許は条件ではありません。規則の条件は「特別支援学校に勤務し、教育に直接従事することを本務とする」ことです。

Q. 通常学級の担任で、発達障害のある子を受け持っています。対象になりますか?

A. なりません。対象は、特別支援学級を直接担当して主にその学級の指導に当たる先生か、通級による指導を本務とする先生です。

Q. 講師でも付きますか?

A. 付きます。1級(講師など)は特別支援学校で9,000円、特別支援学級の担任で8,400円です。

Q. 調整額はなくなるのですか?

A. 廃止ではなく半減の予定です。文部科学省は「担当する先生には今も一定の特殊性がある」として、1.5%相当は残すとしています。兵庫県の新しい金額は、規則の改正が公布されてから確認してください。

まとめ

✅ 特別支援学校・特別支援学級の先生の給料、3行まとめ

・兵庫県では「給料の調整額」として、特別支援学校の教諭に月11,100円、特別支援学級の担任に月11,000円が上乗せされる(級ごとの定額)
・給料の一部なので地域手当やボーナスにも効き、新卒の初任給で月12,144円・年収で約20万円の差になる
・国の方針で2027年1月に約4分の3、2028年1月に半分へ。担任手当(兵庫は2,000円)は調整額をもらう先生には付かない

特別支援教育に関わる先生の処遇は、これから数年で動きます。新しい金額が決まったら、この記事に追記します。「うちの県はどうなっているの?」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ。

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