こんにちは、けいです。今回は、ブログの検索データで一番多かった質問に答えます。「〇〇県の教員の初任給、手取りはいくら?」です。

先に結論を言うと、大卒で新卒採用された先生の月給(額面)は、今回調べた8都府県で約29.5万〜32.9万円。1年目の手取りは月25万〜28万円くらいです。

ただし、ここで話が終わらないのが教員の給料です。1年目の夏のボーナスはふつうの3割しか出ませんし、2年目の6月からは手取りが月1万数千円減ります。昇給したはずなのに、です。この「2年目のなぞ」も含めて、各都府県が公表している採用試験の公式資料から全部計算していきます。

結論:教員の初任給と1年目の手取り

項目8都府県の範囲真ん中あたり(愛知)
初任給(月給・額面)約29.5万〜32.9万円311,334円
1年目の手取り(月)約24.9万〜27.8万円約26.3万円
1年目の年収(4月〜翌3月・額面)約443万〜495万円約468万円
2年目6月からの住民税(月)約1.3万〜1.5万円約1.4万円

モデルは「大学を卒業してすぐ、4月1日に採用された教諭(独身・扶養なし)」です。初任給は、各都府県が採用試験の要項や受験案内で公表している金額をそのまま使いました。手取りは、社会保険料(共済掛金)と税金を差し引いた概算です(計算の前提は第5章)。

8都府県の初任給ランキング(公式データ)

ブログに届いた「初任給」の検索が多かった都府県から順に、公式資料を集めました。金額は、給料・教職調整額・地域手当・義務教育等教員特別手当を合わせた「手当込みの月給」です(どの都府県もこの4つを含めた金額で公表しています)。

順位都府県初任給(大卒・月額)公式資料の時点・条件
1位東京都約329,200円令和8年4月1日適用
2位大阪府約317,000円令和8年4月1日採用者
3位神奈川県315,000円初任給の例(令和8年度実施の要項)
4位愛知県311,334円令和9年度採用の受験案内
5位埼玉県約309,000円令和8年1月1日現在
6位京都府約305,000円令和8年4月1日現在・小中学校教諭・地域手当8%の場合
7位福岡県約295,500円令和8年4月1日現在
8位兵庫県294,733円令和8年3月31日現在・神戸市内勤務の場合

1位の東京と8位の兵庫の差は月約3.4万円。年にすると40万円以上です。新卒1年目から、働く場所でこれだけ違います。

💡 茨城・広島・千葉・福島も検索が多かったのですが、今年の採用試験の公式資料に初任給の金額が見つかりませんでした。数字を推測で埋めることはしたくないので、今回は載せていません。公表が確認できたら追加します。

初任給の中身は4つ——愛知と兵庫の内訳で見る

「手当込みの月給」は、次の4つの足し算です。

内訳まで公表している愛知と兵庫で比べてみます。

内訳愛知県兵庫県(神戸市内)
給料(基本給)271,700円255,100円
教職調整額・地域手当・特別手当など39,634円39,633円(12,755+25,178+1,700)
合計311,334円294,733円

おもしろいのは、手当の部分はほぼ同じ(どちらも約3.96万円)なのに、基本給で16,600円の差がついていることです。兵庫は地域手当が9.4%と高めなのに、給料表そのものが低いので追いつけません。これは40歳の比較でも同じで、兵庫の給料表はシリーズの下から2番目でした。給料表の差は、新卒1年目からすでについているということです。

初任給1位は東京、40歳1位は大阪——順位が入れ替わる理由

このシリーズの40歳の年収ランキングでは、1位は大阪(約763万円)、東京は4位(約740万円)でした。ところが初任給では、東京が大阪を月1.2万円上回って1位です。

理由は、東京の地域手当20%と、給料表の伸び方です。公表額から地域手当などを差し引いて逆算すると、初任給の基本給は東京・大阪ともに約26万円前後で、大きな差はありません。そこに東京は20%、大阪は12.8%の地域手当が乗るので、初任給では東京が上に来ます。

ところが40歳になると、東京の給料表(2級81号給)は347,700円でシリーズ最下位、大阪は389,000円です。東京は若いうちは地域手当で高く、年齢とともに給料表の伸びの小ささが効いてくる形。初任給の順位だけで「どこが一番お得か」は決まらない、ということです。

1年目の手取りはいくら?

初任給から、社会保険料と税金を引いた「手取り」を計算しました。

都府県初任給(額面)1年目の手取り(月)1年目の年収(額面)
東京都約329,200円約277,600円約495万円
大阪府約317,000円約267,500円約476万円
神奈川県315,000円約265,900円約473万円
愛知県311,334円約262,900円約468万円
埼玉県約309,000円約260,900円約464万円
京都府約305,000円約257,600円約458万円
福岡県約295,500円約249,800円約444万円
兵庫県294,733円約249,100円約443万円

計算の前提はこうです。

1年目は住民税がないので、手取りは額面の約84%。実はこれが、教員人生で手取りの割合が一番高い時期です。

1年目の夏のボーナスは「3割」しか出ない

教員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は年4.65か月分が基本ですが、1年目の6月は満額出ません。

6月のボーナスは「前の年の12月2日〜6月1日」の半年間に、どれだけ在職していたかで決まります。4月1日に採用された新人は、この期間のうち2か月しか在職していないので、国のルールでは期末手当も勤勉手当も30%の支給になります(多くの都道府県が国と同じルールです)。

時期支給の割合月給31万円の場合の目安
1年目の6月ふつうの約3割約22万円
1年目の12月満額約72万円
2年目以降満額(年4.65か月分)約144万円+昇給分

「夏のボーナスで何か買おう」と考えている新人さんは、夏は少なめ・冬が本番と覚えておくと安心です。ボーナスの計算の仕組みは期末手当・勤勉手当の解説、自分の金額はボーナス計算ツールでどうぞ。

2年目の6月、手取りが減る——犯人は住民税

2年目の4月には昇給があります。なのに、6月の給与明細を見ると手取りが減っている。新人の先生がよく驚くポイントです。

理由は住民税です。住民税は「前の年(1月〜12月)の所得」をもとに、翌年の6月から1年間、毎月の給料から引かれます。1年目の所得に対する住民税が、2年目の6月から始まるわけです。

都府県2年目6月〜の住民税(月)3年目6月〜の住民税(月)
東京都約15,000円約23,400円
大阪府約14,200円約22,300円
神奈川県約14,100円約22,100円
愛知県約13,800円約21,800円
埼玉県約13,700円約21,500円
京都府約13,400円約21,200円
福岡県約12,800円約20,300円
兵庫県約12,800円約20,200円

表を見ると、3年目にもう一段上がるのがわかります。1年目は4月〜12月の9か月分しか働いていない(しかも夏のボーナスは3割)ので、2年目の住民税は少なめ。1年まるごと働いた2年目の所得で計算される3年目から、住民税が「本来の額」になります。

💡 2年目は昇給(月数千円)と、教職調整額の引き上げ(毎年1月に+1%ずつ、2031年に10%まで)で額面は上がります。それでも住民税の分が大きいので、6月からの手取りは1年目より月1万円前後減るイメージです。昇給の仕組みはこちらの記事で解説しています。

ちなみに、6月ごろに職場で配られる「住民税の決定通知書」には、年収や控除がまるごと載っています。扱いに困ったらこの記事もどうぞ。

よくある質問

Q. 講師の経験があると、初任給は上がりますか?

A. 上がります。愛知・大阪・京都などの公式資料にも「経歴に応じて一定の基準で加算」と書かれています。例えば大阪府は、大学卒業後5年間民間企業で正社員として働いてから27歳で採用された場合、月額約342,000円という例を出しています(新卒は約317,000円)。

Q. 小学校・中学校と高校で、初任給は違いますか?

A. 今回の8都府県では、小・中・高の教諭は同じ金額で公表しているところがほとんどです(京都府の金額は小中学校教諭の例)。特別支援学校は「給料の調整額」がつくので、どこも1万〜2万円ほど高くなっています。

Q. 初任給は毎年変わりますか?

A. 変わります。人事委員会の勧告で給料表が改定されるほか、教職調整額が2026年から毎年1%ずつ上がる予定なので、しばらくは毎年少しずつ上がっていく見込みです。受験する年の最新の要項も必ず確認してください。

まとめ

✅ 教員の初任給、3行まとめ

・大卒新卒の初任給は8都府県で月約29.5万〜32.9万円。1位東京・8位兵庫で月約3.4万円の差
・1年目は住民税がないので手取りは額面の約84%(月25万〜28万円)。ただし夏のボーナスは約3割
・2年目の6月から住民税が始まり、手取りは月1万円前後減る。3年目にもう一段上がる

「うちの県の初任給も知りたい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ。公式資料が見つかったら追加していきます。

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