こんにちは、けいです。都道府県別・教員給料シリーズ、第24弾は宮城県。福島・青森に続く東北3県目です。
先に結論を言うと、宮城の高校教員(40歳モデル・仙台市勤務)の年収は額面 約719万円・手取り 約554万円。調べた23都道府県の中で7位でした。
東北の先に出した2県は、福島が21位・青森が19位タイ。どちらも「地域手当0%」の県でした。ところが宮城は、東北で初めて地域手当がつく県です。しかも仙台市だけでなく、県内どこで働いても最低1.5%。給料表もシリーズ5位の高さで、東北の順位表がここで一気に動きます。今回も公式データだけで全部計算していきます。
結論:宮城の教員、40歳の年収はこれだ
| 項目 | 仙台市勤務 | 県内その他(1.5%地域) |
|---|---|---|
| 月給(額面) | 約432,070円 | 約417,670円 |
| ボーナス(年間) | 約201万円 | 約194万円 |
| 年収(額面) | 約719万円 | 約695万円 |
| 年収(手取り) | 約554万円 | 約535万円 |
モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。宮城は勤務地で地域手当が変わるので、仙台市(5%)と県内その他の市町村(1.5%)の2パターンを出しました。ランキングには、県庁所在地の仙台市モデルを使います。月給の内訳はこうなっています。
| 内訳 | 仙台市 | 県内その他 | メモ |
|---|---|---|---|
| 給料(基本給) | 391,900円 | 391,900円 | 教育職給料表(1)=高等学校・特別支援学校 2級81号給・シリーズ5位 |
| 教職調整額(5%) | 19,595円 | 19,595円 | 残業代の代わりに一律支給 |
| 地域手当 | 20,575円(5%) | 6,172円(1.5%) | (給料+教職調整額)×支給割合 |
| 合計 | 432,070円 | 417,667円 |
3行目の「地域手当」に数字が入っている。東北の記事でこれを書くのは初めてです。順番に見ていきましょう。
計算方法:使うのは公式データだけ
宮城県の公式データから、40歳モデルの年収を計算します。
- 391,900円:宮城県の教育職給料表(1)〔高等学校・特別支援学校〕・2級81号給(令和7年勧告後)。シリーズ5位です(次章)
- × 1.05:地域手当5%(仙台市)。県内その他の市町村は1.5%です(第4章)
- × 1.05 + 4.65ヶ月:教職調整額5%(全国共通)と、ボーナス4.65ヶ月(第5章)
391,900 × 1.05 = 411,495円。これに地域手当5%を乗せると432,070円。16.65ヶ月分にすると——約7,194,000円(約719万円)です。県内その他(1.5%)なら 417,667円 × 16.65 = 約695万円。
給料表は391,900円——シリーズ5位
まず基本給から。宮城の40歳(2級81号給)の給料は391,900円。7県が並ぶ「七つ子」の388,800円より3,100円高く、給料表ランキングでは5位。京都(392,600円)に700円届かず、愛媛(391,210円)を690円上回るという、きわどい位置です。
| 順位 | 都道府県 | 40歳の給料表(2級81号給) |
|---|---|---|
| 1位 | 愛知 | 398,000円 |
| 2位 | 高知 | 393,400円 |
| 3位 | 鹿児島 | 393,000円 |
| 4位 | 京都 | 392,600円 |
| 5位 | 宮城 | 391,900円 |
| 6位 | 愛媛 | 391,210円 |
| 7位 | 広島 | 390,700円 |
| 8位 | 大阪 | 389,000円 |
| 9位タイ | 香川・沖縄・徳島・茨城・栃木・群馬・青森 | 388,800円 |
| 16位 | 北海道 | 381,190円 |
| 17位 | 福島 | 379,800円 |
| 18位 | 兵庫 | 371,200円 |
| — | 東京 | 347,700円 |
東北3県で並べると、宮城391,900円 > 青森388,800円 > 福島379,800円。基本給の時点で、すでに宮城が頭ひとつ抜けています。ここに地域手当が乗るかどうかで、年収の差がさらに開きます。次章です。
💡 391,900円は令和7年勧告後の数字です。宮城県人事委員会の令和7年勧告(2025年10月2日)は、民間との較差11,564円(3.07%)を埋める引き上げ。月例給の引き上げは4年連続で、大卒初任給は12,000円・高卒初任給は12,300円の引き上げでした。
地域手当は仙台市5%・県内どこでも最低1.5%——東北で初めて
今回の主役、地域手当です。宮城県が公表している「令和7年度県職員給与のあらまし」に、県職員の地域手当の支給割合が地域ごとに載っています。
| 勤務地 | 宮城県の支給割合 | (参考)国の制度 | 支給対象職員数 |
|---|---|---|---|
| 仙台市 | 5% | 7% | 7,459人 |
| 多賀城市 | 2% | 9% | 480人 |
| 名取市・富谷市・利府町 | 1.5% | 2%/5%/2% | 2,242人 |
| 上記以外の県内市町村 | 1.5% | 0% | 12,327人 |
| 平均支給割合 | 2.7% | 2.8% |
ポイントは2つあります。
1つ目。東北で初めて、県内に地域手当の支給地がある県です。福島は「県内すべて0%」、青森は「県内に支給地域なし」でした。宮城は仙台市に5%がつき、しかもそれ以外の市町村にも1.5%がつきます。国の制度では0%のはずの地域に、県が独自に1.5%を乗せている形です。
2つ目。仙台市は国の7%より低い5%。多賀城市にいたっては国9%のところ県2%です。つまり宮城県は、都市部を国基準より低く、それ以外を国基準より高くして、県内の差を「ならして」いる。国基準なら仙台7%・郡部0%で7ポイント差になるところを、5%と1.5%の3.5ポイント差に圧縮しています。兵庫(9.4/6.4/4.4%)で見た「誰も置き去りにしない」型が、東北にもありました。
この「ならし」の結果、県内の年収差はこうなります。
| 勤務地 | 地域手当 | 年収(額面) | シリーズ内の位置 |
|---|---|---|---|
| 仙台市 | 5% | 約719万円 | 7位(茨城734と埼玉716の間) |
| 多賀城市 | 2% | 約699万円 | 群馬と同水準 |
| 県内その他 | 1.5% | 約695万円 | 群馬699と徳島691の間 |
仙台市とそれ以外の差は年約24万円。もし国の制度どおり「仙台7%・その他0%」だったら、差は約49万円に広がっていました。それを半分に縮めたのが宮城方式です。
💡 国の地域手当は令和8年度から仕組みが大きく変わり(都道府県単位の区分に再編)、宮城県も「引下げを行う地域については令和8年度の級地別支給割合等を踏まえて措置する」としています。今回のモデルは令和7年4月1日時点の県の支給割合で計算しました。令和8年度の扱いが決まったら、この記事に追記します。
ボーナスは4.65月——較差3.07%で4年連続の引き上げ
ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.65ヶ月分。令和7年の勧告で4.60月から0.05月引き上げられ、シリーズの多数派である「4.65月」に並びました。
仙台市勤務なら、ボーナスが年200万円を超えます。県内その他(1.5%)でも約194万円です。宮城県の令和7年勧告は、民間との較差11,564円・3.07%を埋める引き上げで、月例給の引き上げは4年連続。人事委員会は「人材確保の観点から初任給を中心に若年層に重点を置いて改定」としていて、2級81号給(40歳)の391,900円もこの改定を反映した金額です。
手取りはいくら?
額面719万円(仙台市勤務)から社会保険料と税金を引くと、こうなります。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 額面年収 | 約719万円 |
| 社会保険料 | ▲約104万円 |
| 所得税・住民税 | ▲約61万円 |
| 手取り年収 | 約554万円 |
月あたりにならすと、手取りは月約33.2万円+ボーナス手取り約155万円というイメージです。県内その他(1.5%)なら手取り約535万円。(概算の考え方は解説記事へ。扶養や控除で個人差があります)
23都道府県ランキング——東北3県の順位表
宮城を加えた最新ランキング。宮城(仙台市モデル)は茨城と埼玉の間、7位に入りました。
| 順位 | 都道府県 | 額面年収 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 4位 | 東京 | 約740万円 | 約568万円 |
| 5位 | 広島 | 約738万円 | 約568万円 |
| 6位 | 茨城 | 約734万円 | 約565万円 |
| 7位 | 宮城(仙台市) | 約719万円 | 約554万円 |
| 8位 | 埼玉 | 約716万円 | 約551万円 |
| 9位 | 兵庫 | 約710万円 | 約547万円 |
| 10位 | 栃木 | 約707万円 | 約544万円 |
| 11位 | 神奈川 | 約703万円 | 約540万円 |
(全23都道府県の一覧表と各県の記事はシリーズまとめページへ)
そして東北3県の順位表。ここが今回いちばん見てほしいところです。
| 県 | 給料表(2級81号給) | 地域手当 | 年収(額面) | 順位 |
|---|---|---|---|---|
| 宮城(仙台市) | 391,900円(5位) | 5% | 約719万円 | 7位 |
| 宮城(県内その他) | 391,900円(5位) | 1.5% | 約695万円 | (13位相当) |
| 青森 | 388,800円(9位タイ) | 0% | 約680万円 | 20位タイ |
| 福島 | 379,800円(17位) | 0% | 約664万円 | 22位 |
仙台市の先生と福島の先生の差は年約55万円。内訳は、基本給の差(12,100円×1.05×16.65≒約21万円)と、地域手当の差(約34万円)です。つまり東北の中での年収差は、基本給よりも地域手当のほうが大きく効いている。「教員の年収は本給ではなく手当で決まる」は、東北でもそのまま当てはまりました。
まとめ
✅ 宮城の教員給与、3行まとめ
・40歳モデル(仙台市勤務)の年収は額面 約719万円・手取り 約554万円で23都道府県中7位。県内その他の市町村なら約695万円
・給料表は391,900円でシリーズ5位。地域手当は東北で初めて県内に支給地あり(仙台市5%・県内どこでも最低1.5%)
・国の「仙台7%/その他0%」を「5%/1.5%」にならす宮城方式で、県内の年収差を約49万円→約24万円に圧縮。ボーナスは4.65月で、仙台市勤務なら年200万円超え
次回はどこにするか、まだ決めていません。「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ。
💌 先生のお金の質問、匿名で受け付けています給料・手当・NISA・保険……職員室では聞きにくいことも、匿名・登録不要でどうぞ。いただいた質問にはブログや動画で(匿名のまま)答えます。→ 匿名で質問をおくる
出典(公式データ)
- 宮城県人事委員会「令和7年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(2025年10月2日・月例給の公民較差11,564円〔3.07%〕を埋める引き上げ/期末・勤勉手当0.05月引き上げで年4.60月→4.65月/大卒初任給12,000円・高卒初任給12,300円の引き上げ)別記第1 給料表「イ 教育職給料表(1)」(2級81号給391,900円)
- 宮城県人事委員会「給与テキスト(令和7年4月1日現在)」第1章 給料表:教育職給料表(1)=高等学校及び特別支援学校に勤務する校長・教頭・教諭等、教育職給料表(2)=中学校・小学校・義務教育学校
- 宮城県「令和7年度県職員給与のあらまし」4 職員の手当の状況 (3)地域手当(令和7年4月1日現在):仙台市5%(国7%)・多賀城市2%(国9%)・名取市1.5%(国2%)・富谷市1.5%(国5%)・利府町1.5%(国2%)・上記以外の県内市町村1.5%(国0%)・平均支給割合2.7%(国の制度なら2.8%)
- ※教職調整額は国と同様、段階的に給料月額の10%へ引き上げ予定(本記事のモデルは現行5%で計算)。宮城県には寒冷地手当がありますが、地域・世帯で額が変わるためモデルには含めていません。手取りは社会保険料・税の概算(額面の約77%)です。金額は前提条件により変動します