こんにちは、けいです。都道府県別・教員給料シリーズ、第19弾は茨城県。東京・神奈川・埼玉・千葉に続く関東5都県目です。
先に結論を言うと、茨城の高校教員(40歳モデル・水戸市やつくば市勤務)の年収は額面 約734万円・手取り 約565万円。調べた18都道府県の中で6位——4位の東京(740万円)とわずか6万円差です。
「え、茨城が東京とほぼ同じ?」と思ったあなた。しかも茨城の給料表(基本給)は388,800円——そう、シリーズおなじみ「388,800円の三つ子」(沖縄・香川・徳島)と1円まで同じなんです。今日から三つ子は四つ子。それなのに、同じ給料表の沖縄(16位・680万円)とは54万円差がつきました。種明かしは、水戸・つくば8%+それ以外の県内全域6%という「ほぼ一律」の地域手当。今回も公式データだけで全部計算していきます。
結論:茨城の教員、40歳の年収はこれだ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(額面) | 約440,899円 |
| ボーナス(年間) | 約205万円 |
| 年収(額面) | 約734万円 |
| 年収(手取り) | 約565万円 |
モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。今回は水戸市・つくば市(地域手当8%)勤務で計算しています。月給の内訳はこうなっています。
| 内訳 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 給料(基本給) | 388,800円 | 教育職給料表(二)2級81号給・沖縄・香川・徳島と同額の「四つ子」 |
| 教職調整額(5%) | 19,440円 | 残業代の代わりに一律支給 |
| 地域手当(8%) | 32,659円 | 水戸市・つくば市勤務の場合 |
| 合計 | 440,899円 |
基本給は四つ子と1円まで同じ。でも3行目の32,659円で、月給は香川(3.2%)・徳島(1.7%)・沖縄(0%)を一気に引き離します。しかも茨城のすごいところは、8%がもらえない地域でも必ず6%はつくこと。順番に見ていきましょう。
計算方法:使うのは公式データだけ
茨城県の公式データから、40歳モデルの年収を計算します。
- 388,800円:茨城県の教育職給料表(二)〔高等学校教育職〕・2級81号給(令和7年勧告後)。四つ子と同額です(次章)
- × 1.08:地域手当8%。茨城は水戸・つくばが8%、それ以外の県内全域が6%——0%の地域がありません(第4章)
- × 1.05 + 4.65ヶ月:教職調整額5%(全国共通)と、ボーナス4.65ヶ月(第5章)
388,800 × 1.05 × 1.08 = 440,899円。これを16.65ヶ月分にすると——約7,340,000円(約734万円)です。
給料表は388,800円——「三つ子」が「四つ子」になった
まず基本給から。茨城の40歳(2級81号給)の給料は388,800円。この数字を見て「あっ」と思った読者さんは、もう立派なシリーズ常連です。そう、沖縄・香川・徳島の「388,800円の三つ子」とまたしても1円まで同額。今日から四つ子です。ここまで揃うのは偶然ではなく、この4県が国の給料表の水準をほぼそのまま使っているから。給料表ランキングでは7位タイに4県が並びました。
| 順位 | 都道府県 | 40歳の給料表(2級81号給) |
|---|---|---|
| 1位 | 愛知 | 398,000円 |
| 2位 | 高知 | 393,400円 |
| 3位 | 京都 | 392,600円 |
| 4位 | 愛媛 | 391,210円 |
| 5位 | 広島 | 390,700円 |
| 6位 | 大阪 | 389,000円 |
| 7位タイ | 香川・沖縄・徳島・茨城 | 388,800円 |
| 11位 | 北海道 | 381,190円 |
| 12位 | 福島 | 379,800円 |
| 13位 | 兵庫 | 371,200円 |
| — | 東京 | 347,700円 |
そして、ここからがこの記事の本題です。基本給が1円まで同じ4県が、年収では最大54万円離れる。つまり四つ子は、「教員の年収は本給ではなく手当で決まる」というシリーズの法則を検証できる、完璧な実験グループなんです。答えは第7章で。
💡 388,800円は令和7年勧告後の数字です。茨城の令和7年勧告は、民間との較差11,809円(3.04%)を受けた改定額11,707円(3.01%)——1991年以来、34年ぶりの高い上げ幅でした。あわせて公民比較の対象企業を「50人以上」から「100人以上」に見直しています。比較相手をより大きな会社に揃えた上でこの引き上げ、というのがポイントです。
地域手当は水戸・つくば8%+県内どこでも6%——国の格差12ポイントを2ポイントに圧縮
そして今回の主役、地域手当です。茨城県の地域手当は、条例上たったの2段階。シリーズ史上いちばんシンプルな表をどうぞ。
| 勤務地 | 支給割合 |
|---|---|
| 水戸市・つくば市 | 8% |
| それ以外の県内全域 | 6% |
「それ以外の県内全域」=6%。つまり茨城県内には、地域手当0%の学校が1校もないどころか、6%未満の学校すらありません。兵庫の「最低4.4%保証」に驚いたのが先週の話ですが、茨城はそれを上回る「最低6%保証」。県境の山あいの学校でも、海沿いの学校でも、必ず6%つきます。
国の基準と比べると、この設計の思い切りがよく分かります。
| 地域 | 国の基準(令和7年度) | 茨城県の支給割合 | 差 |
|---|---|---|---|
| つくば市 | 16% | 8% | ▲8%(国より薄い) |
| 取手市・守谷市 | 12% | 6% | ▲6%(国より薄い) |
| 水戸市など | 8% | 8% | 同じ |
| その他の市町村 | 4% | 6% | +2%(国より厚い) |
国の基準どおりなら、つくばの学校は16%で県北の学校は4%——12ポイントの格差になるところ。茨城県はこれを8%〜6%のわずか2ポイント差まで圧縮しています。兵庫は12ポイントを5ポイントに縮めて「シリーズ最強のならし型」と書きましたが、1週間で記録更新です。つくばの先生から思い切って薄くして、その分を県内全域に配る——「ほぼ一律」と呼んでいい設計です。
勤務地でどれくらい年収が変わるかも計算しておきます。
| 勤務地 | 地域手当 | 年収(額面) |
|---|---|---|
| 水戸・つくば | 8% | 約734万円 |
| それ以外の県内全域 | 6% | 約721万円 |
県内の差はわずか約13万円。しかも注目してほしいのは下の行です。6%地域の721万円は、埼玉(716万円・7位)より上。つまり茨城の先生は、県内のどこに赴任しても実質6位〜7位相当の年収ということ。「異動でどこに飛ばされるかで年収が変わる」不安が、シリーズで一番小さい県かもしれません。
ボーナスは4.65月に引き上げ——月例給は34年ぶりの上げ幅
ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.65ヶ月分。令和7年の勧告で4.60月から0.05月引き上げられました。茨城の民間の特別給は4.66月分——それにほぼ揃えた改定で、シリーズ多数派の4.65月に並びます。
ここでも地域手当が効いています。ボーナスの計算のベースには地域手当も含まれるので、地域手当8%はボーナスも8%膨らませる。同じ給料表・同じ月数でも、地域手当0%の県とはボーナスだけで年15万円前後の差がつく計算です。
手取りはいくら?
額面734万円から社会保険料と税金を引くと、こうなります。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 額面年収 | 約734万円 |
| 社会保険料 | ▲約107万円 |
| 所得税・住民税 | ▲約62万円 |
| 手取り年収 | 約565万円 |
月あたりにならすと、手取りは月約33.9万円+ボーナス手取り約158万円というイメージです(概算の考え方は解説記事へ。扶養や控除で個人差があります)。
18都道府県ランキング——同じ給料表の4県で54万円差
茨城を加えた最新ランキング。上位がだいぶ渋滞してきました。
| 順位 | 都道府県 | 額面年収 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大阪 | 約763万円 | 約587万円 |
| 4位 | 東京 | 約740万円 | 約568万円 |
| 5位 | 広島 | 約738万円 | 約568万円 |
| 6位 | 茨城 | 約734万円 | 約565万円 |
| 7位 | 埼玉 | 約716万円 | 約551万円 |
| 8位 | 兵庫 | 約710万円 | 約547万円 |
| 18位 | 北海道 | 約661万円 | 約507万円 |
4位東京と6万円差・5位広島と4万円差。茨城が「あと一歩で表彰台」の位置につけました。(全18都道府県の一覧表と各県の記事はシリーズまとめページへ)
そして、お待ちかねの「四つ子の答え合わせ」がこちらです。基本給は4県とも388,800円で完全に同じ。違うのはほぼ手当だけ。
| 県 | 地域手当 | 年収(額面) | 順位 |
|---|---|---|---|
| 茨城 | 水戸・つくば8%/全域6% | 約734万円 | 6位 |
| 香川 | 県内一律3.2% | 約701万円 | 10位 |
| 徳島 | 県内全域1.7% | 約691万円 | 11位 |
| 沖縄 | 0% | 約680万円 | 16位 |
1円まで同じ給料表から出発して、茨城と沖縄の差は年54万円。並べてみると、年収の順番が地域手当の率の順番とそのまま一致しています(ボーナス月数の小さな違いも一部影響します)。「教員の年収は本給ではなく手当で決まる」——四つ子がくれた、これ以上ないくらいきれいな証明です。
まとめ
✅ 茨城の教員給与、3行まとめ
・40歳モデル(水戸・つくば勤務)の年収は額面 約734万円・手取り 約565万円で18都道府県中6位——東京とわずか6万円差
・給料表は388,800円で沖縄・香川・徳島と1円まで同じ「四つ子」——なのに年収は四つ子トップ。最下位の沖縄と54万円差
・立役者は水戸・つくば8%+それ以外の県内全域6%の地域手当。国基準の格差12ポイントを2ポイントに圧縮する、シリーズ最強の「ほぼ一律」設計
関東は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城の5都県がそろいました。残るは栃木と群馬——北関東そろい踏みまであと2県です。次はどの県に行くべきか、「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ教えてください。
💌 先生のお金の質問、匿名で受け付けています給料・手当・NISA・保険……職員室では聞きにくいことも、匿名・登録不要でどうぞ。いただいた質問にはブログや動画で(匿名のまま)答えます。→ 匿名で質問をおくる
出典(公式データ)
- 茨城県人事委員会「令和7年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(2025年10月10日・月例給の改定額11,707円〔3.01%、公民較差11,809円・3.04%〕は34年ぶりの高水準/期末・勤勉手当0.05月引き上げで年4.65月/公民比較の対象企業規模を50人以上→100人以上に見直し)別記 教育職給料表(二)=高等学校教育職(2級81号給388,800円・令和7年4月1日遡及実施)
- 茨城県「職員の給与に関する条例」第11条の2:地域手当の支給割合=水戸市・つくば市 100分の8、その他の県内地域 100分の6(県外勤務は級地区分により4〜20%)
- 茨城県「人事行政の運営等の状況の公表」:高等学校教育職=教育職給料表(二)の適用者
- 人事院規則九―四九(地域手当):国の級地区分(令和7年度)=つくば市2級地16%・取手市/守谷市3級地12%・水戸市/日立市/土浦市/龍ケ崎市/牛久市4級地8%・その他5級地4%
- ※教職調整額は国と同様、段階的に給料月額の10%へ引き上げ予定(本記事のモデルは現行5%で計算)。手取りは社会保険料・税の概算(額面の約77%)です。金額は前提条件により変動します