こんにちは、けいです。都道府県別・教員給料シリーズ、第18弾は兵庫県。大阪・京都に続く関西3府県目です。
先に結論を言うと、兵庫の高校教員(40歳モデル・神戸など1級地勤務)の年収は額面 約710万円・手取り 約547万円。調べた17都道府県の中で7位でした。
「関西だし、まあそんなもんか」と思ったあなた。実は兵庫、中身がすごいんです。給料表(基本給)は371,200円——シリーズで調べた中で、東京に次ぐ下から2番目。あの「388,800円の三つ子」(沖縄・香川・徳島)より17,600円も低いんです。それなのに年収は7位。前回の高知は「給料表2位なのに年収14位」でしたが、兵庫はその完全な逆回転。種明かしは、県内のどこの学校で働いても最低4.4%つく地域手当にあります。今回も公式データだけで全部計算していきます。
結論:兵庫の教員、40歳の年収はこれだ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(額面) | 約426,397円 |
| ボーナス(年間) | 約198万円 |
| 年収(額面) | 約710万円 |
| 年収(手取り) | 約547万円 |
モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。今回は神戸市など1級地(地域手当9.4%)勤務で計算しています。月給の内訳はこうなっています。
| 内訳 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 給料(基本給) | 371,200円 | 高等学校教育職給料表 2級81号給・シリーズ下から2番目 |
| 教職調整額(5%) | 18,560円 | 残業代の代わりに一律支給 |
| 地域手当(9.4%) | 36,637円 | 神戸・尼崎・西宮・芦屋・伊丹・宝塚の1級地 |
| 合計 | 426,397円 |
1行目の基本給だけを見れば、これまでの17都道府県で東京に次ぐ低さ。ところが3行目に36,637円が乗った瞬間、月給は徳島・高知を1万円以上引き離します。給料表で負けて、手当で勝つ——高知の逆パターンです。順番に見ていきましょう。
計算方法:使うのは公式データだけ
兵庫県の公式データから、40歳モデルの年収を計算します。
- 371,200円:兵庫県の高等学校教育職給料表・2級81号給(令和7年勧告後)。シリーズ下から2番目の低さです(次章)
- × 1.094:地域手当9.4%。兵庫は勤務地によって9.4%/6.4%/4.4%の3段階——そして0%の地域がありません(第4章)
- × 1.05 + 4.65ヶ月:教職調整額5%(全国共通)と、ボーナス4.65ヶ月(第5章)
371,200 × 1.05 × 1.094 = 426,397円。これを16.65ヶ月分にすると——約7,100,000円(約710万円)です。
給料表はまさかの「下から2番目」371,200円
まず基本給から。兵庫の40歳(2級81号給)の給料は371,200円。正直、目を疑いました。シリーズでずっと見てきた「388,800円の三つ子」(沖縄・香川・徳島)より17,600円低い。愛知(398,000円)とは26,800円差。給料表ランキングでは、東京に次ぐ下から2番目に滑り込みました。
| 順位 | 都道府県 | 40歳の給料表(2級81号給) |
|---|---|---|
| 1位 | 愛知 | 398,000円 |
| 2位 | 高知 | 393,400円 |
| 3位 | 京都 | 392,600円 |
| 4位 | 愛媛 | 391,210円 |
| 5位 | 広島 | 390,700円 |
| 6位 | 大阪 | 389,000円 |
| 7位タイ | 香川・沖縄・徳島 | 388,800円 |
| 10位 | 北海道 | 381,190円 |
| 11位 | 福島 | 379,800円 |
| 12位 | 兵庫 | 371,200円 |
| — | 東京 | 347,700円 |
ここで思い出してほしいのが、シリーズで唯一兵庫より給料表が低い東京です。東京の給料表は347,700円と断トツで低いのに、年収は740万円の4位。カラクリは地域手当20%でした。実は兵庫も、規模こそ違えど同じ設計思想なんです。給料表を低めに抑えて、地域手当で上乗せする——「本給薄め・手当厚め」の都市型。その地域手当が、次章の主役です。
💡 兵庫の令和7年勧告では、民間との較差11,361円(2.89%)を埋める引き上げが行われた上での371,200円です。また令和8年1月からは、4級(教頭級など)に最大11,500円・5級(校長級など)に最大3,800円を加算する特例もスタート。管理職の処遇改善は進んでいますが、今回の40歳・2級モデルには関係しない話です。
地域手当は県内どこでも最低4.4%——「都会から薄く、田舎に厚く」の3段階
そして今回の主役、地域手当です。兵庫県の地域手当は勤務地によって3段階。注目してほしいのは一番下の行です。
| 区分 | 支給割合 | 対象地域 |
|---|---|---|
| 1級地 | 9.4% | 神戸・尼崎・西宮・芦屋・伊丹・宝塚 |
| 2級地 | 6.4% | 姫路・明石・川西 |
| 3級地 | 4.4% | 上記以外の全市町 |
「上記以外の全市町」=4.4%。つまり兵庫県内には、地域手当0%の学校が1校もありません。福島・愛媛・沖縄・高知と「0%県」を4つ見てきたシリーズにとって、これは事件です。日本海側の山あいの学校でも、淡路島の学校でも、必ず4.4%つく。都会と田舎の両方を抱える県で、ここまで「全域に配る」設計はシリーズ初です。
もっと面白いのは、国の基準と比べたときです。
| 地域 | 国の基準(令和7年度) | 兵庫県の支給割合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 神戸市 | 11% | 9.4% | ▲1.6%(国より薄い) |
| 西宮・芦屋・宝塚 | 14% | 9.4% | ▲4.6%(国より薄い) |
| 姫路市 | 3% | 6.4% | +3.4%(国より厚い) |
| その他の市町 | 2% | 4.4% | +2.4%(国より厚い) |
国の基準どおりなら、西宮の学校は14%で淡路島は2%——12ポイントの格差になるところ。兵庫県はこれを9.4%〜4.4%の5ポイント差までギュッと圧縮しています。都会の先生から少し薄くして、その分を田舎の先生に配る。香川の「県内一律3.2%」をさらに進化させた、「傾斜はつけるが、誰も置き去りにしない」型です。県職員の地域手当の平均額は月28,342円——高知の「月466円」の約60倍と言えば、この差の大きさが伝わるでしょうか。
勤務地でどれくらい年収が変わるかも計算しておきます。
| 勤務地 | 地域手当 | 年収(額面) |
|---|---|---|
| 神戸・阪神間(1級地) | 9.4% | 約710万円 |
| 姫路・明石・川西(2級地) | 6.4% | 約690万円 |
| その他の市町(3級地) | 4.4% | 約678万円 |
1級地と3級地の差は約32万円。同じ県内でも差はありますが、一番低い3級地でも678万円——これは沖縄(680万円)とほぼ同じで、福島や北海道より上です。「県内のどこに赴任しても、0%県の平均は超える」。兵庫の設計の効果がよく分かります。
ボーナスは4.65月に引き上げ
ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.65ヶ月分。令和7年の勧告で4.60月から0.05月引き上げられました。兵庫の民間の特別給は4.64月分——それに合わせた改定で、シリーズの多数派(4.65月)に並ぶ水準です。
ここでも地域手当が効いています。ボーナスの計算のベースには地域手当も含まれるので、地域手当9.4%はボーナスも9.4%膨らませる。前回の高知はボーナス4.50月(シリーズ最少)に泣きましたが、兵庫は月数も標準・ベースも地域手当込みで、約198万円。高知(約186万円)との差は年12万円になりました。
手取りはいくら?
額面710万円から社会保険料と税金を引くと、こうなります。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 額面年収 | 約710万円 |
| 社会保険料 | ▲約104万円 |
| 所得税・住民税 | ▲約59万円 |
| 手取り年収 | 約547万円 |
月あたりにならすと、手取りは月約32.8万円+ボーナス手取り約153万円というイメージです(概算の考え方は解説記事へ。扶養や控除で個人差があります)。
17都道府県ランキング——高知と兵庫、きれいに真逆
兵庫を加えた最新ランキング。兵庫の位置がよく分かるように、前後を抜粋します。
| 順位 | 都道府県 | 額面年収 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大阪 | 約763万円 | 約587万円 |
| 5位 | 広島 | 約738万円 | 約568万円 |
| 6位 | 埼玉 | 約716万円 | 約551万円 |
| 7位 | 兵庫 | 約710万円 | 約547万円 |
| 8位 | 神奈川 | 約703万円 | 約540万円 |
| 9位 | 香川 | 約701万円 | 約539万円 |
| 17位 | 北海道 | 約661万円 | 約507万円 |
(全17都道府県の一覧表と各県の記事はシリーズまとめページへ)
そして、前回の高知と並べた「答え合わせ」がこちらです。
| 高知(第17弾) | 兵庫(第18弾) | |
|---|---|---|
| 給料表(2級81号給) | 393,400円・シリーズ2位 | 371,200円・下から2番目 |
| 地域手当 | 0%(支給地域なし) | 県内全域4.4〜9.4% |
| ボーナス | 4.50月(シリーズ最少) | 4.65月 |
| 年収 | 約682万円・14位 | 約710万円・7位 |
給料表で22,200円勝っている高知が、年収では28万円負ける。2週続けて、「教員の年収は本給ではなく手当で決まる」をこれ以上ないかたちで見せつけられました。ちなみに関西対決は大阪763万円 vs 兵庫710万円で53万円差。大阪の地域手当は12.8%——隣同士でも、手当の設計ひとつでこれだけ変わります。
まとめ
✅ 兵庫の教員給与、3行まとめ
・40歳モデル(神戸など1級地)の年収は額面 約710万円・手取り 約547万円で17都道府県中7位
・給料表は371,200円で東京に次ぐ下から2番目——なのに年収7位。高知(給料表2位で年収14位)と真逆のねじれ
・立役者は県内どこでも最低4.4%つく地域手当(神戸・阪神間9.4%/姫路など6.4%/その他全域4.4%)。国基準の格差12ポイントを5ポイントに圧縮する「誰も置き去りにしない」設計
関西は大阪・京都・兵庫の2府1県がそろいました。「本給の高さ」と「年収の高さ」は別物——シリーズの法則が、また一段はっきりしてきました。次はどの県に行くべきか、「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ教えてください。
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出典(公式データ)
- 兵庫県人事委員会「職員の給与等に関する報告及び勧告」(令和7年10月10日・月例給の民間との較差11,361円〔2.89%〕を埋める引き上げ/期末・勤勉手当 計0.05月引き上げで年4.65月)別記 高等学校教育職給料表(2級81号給371,200円・令和7年4月1日実施)
- 兵庫県「人事行政の運営等の状況」(令和7年度):地域手当の支給割合(条例本則)=1級地9.4%〔神戸・尼崎・西宮・芦屋・伊丹・宝塚ほか〕・2級地6.4%〔姫路・明石・川西〕・3級地4.4%〔上記以外の市町〕。県職員の平均支給割合7.46%・支給職員1人当たり平均支給年額323,564円(令和6年度決算)。国の令和7年度支給割合(西宮・芦屋・宝塚14%、神戸11%、姫路・加古川・三木3%、その他2%)も同資料より
- ※明石市・川西市に所在する事務所等のうち人事委員会が定めるものは1級地扱いになる例外があります。教職調整額は令和8年1月から段階的に給料月額の5%→10%へ(国と同じ段階表)
- 手取りは社会保険料・税の概算(額面の約77%)です。金額は前提条件により変動します