こんにちは、けい先生です。都道府県別・教員給料シリーズ、第17弾は高知県。愛媛・香川・徳島に続く4県目で、これで四国コンプリートです。

先に結論を言うと、高知の高校教員(40歳モデル)の年収は額面 約682万円・手取り 約525万円。調べた16都道府県の中で13位でした。

「また四国の下の方か」と思ったあなた、今回はワケが違います。高知の給料表(基本給)は393,400円——なんとシリーズ2位。京都を抜いて、愛知に次ぐ堂々の2番手です。沖縄・香川・徳島と3県続いた「388,800円の三つ子」の記録も、高知がきっちり止めました。給料表はシリーズ2位なのに、年収は13位。シリーズ史上最大の「ねじれ」がなぜ起きるのか——今回も公式データだけで全部計算していきます。

結論:高知の教員、40歳の年収はこれだ

項目金額
月給(額面)約413,070円
ボーナス(年間)約186万円
年収(額面)約682万円
年収(手取り)約525万円

モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。月給の内訳はこうなっています。

内訳金額メモ
給料(基本給)393,400円高等学校等教育職給料表 2級81号給・シリーズ2位
教職調整額(5%)19,670円残業代の代わりに一律支給
地域手当(0%)0円高知県内に支給地域なし
合計413,070円

1行目の基本給は、実はこれまでの16都道府県で愛知に次ぐ2番目の高さです。月給413,070円も、徳島(415,180円)とほぼ並ぶ水準。それなのに年収で13位まで下がるのは、3行目の0円と、もうひとつ——ボーナスの「月数」に理由があります。順番に見ていきましょう。

計算方法:使うのは公式データだけ

高知県の公式データから、40歳モデルの年収を計算します。

高知県・40歳モデルの年収
年収 =(393,400円 × 1.05)×(12ヶ月 + 4.50ヶ月)

393,400 × 1.05 = 413,070円。これを16.50ヶ月分にすると——約6,816,000円(約682万円)です。

📖 「教職調整額って何?」「地域手当って何?」「2級81号給ってどこの数字?」——計算式の中身はシリーズ共通の解説記事に全部まとめました。

給料表はまさかのシリーズ2位 393,400円——「三つ子」の記録が止まった

まず基本給から。高知の40歳(2級81号給)の給料は393,400円。沖縄・香川・徳島と3県連続で1円まで同じだった「388,800円の三つ子」を見てきた直後だけに、正直、今回も同じ数字を予想していました。ところが高知は4,600円上。それどころか、京都(392,600円)も抜いてシリーズ2位に飛び込んできました。

順位都道府県40歳の給料表(2級81号給)
1位愛知398,000円
2位高知393,400円
3位京都392,600円
4位愛媛391,210円
5位広島390,700円
6位大阪389,000円
7位タイ香川・沖縄・徳島388,800円
東京347,700円

高知は令和7年の人事委員会勧告(2025年10月14日)で、月例給の民間との差11,152円(3.26%)を埋める引き上げを実施。「本県の初任給は他の都道府県と比べても低い」とはっきり書いて、高卒初任給を12,300円・大卒初任給を12,000円と大幅に引き上げた勧告でした。その結果が、この給料表です。四国4県の給料表は高知1位・愛媛2位・香川と徳島が同額3位——覚えておいてください。この順位、最後の章でほぼ真逆になります。

💡 高知の給料表をよく見ると、2級と3級の間に「特2級」という級があります。1級→2級→特2級→3級→4級という5段構え。今回の40歳モデルはシリーズ共通の「2級」で計算していますが、給料表の作りにも県ごとの個性が出ていて面白いところです。

地域手当は0%——県職員1万人の平均は「月466円」

そして今回の主役、地域手当です。高知県内には、地域手当の支給地域がありません。県内のどの学校に勤めても0%・0円。シリーズでは福島・愛媛・沖縄に続く4県目の「0%県」で、四国では愛媛に次ぐ2県目です。

これを何より雄弁に物語る数字が、勧告本文にありました。高知県職員11,329人の給与の内訳で、地域手当の平均額は——月466円。1万人を超える職員のほとんどが0円で、東京事務所など県外勤務のごく一部の職員と医師にだけ支給されているため、平均するとこの金額になります。ラーメン1杯より安い「平均地域手当」、シリーズ初の衝撃でした。

四国4県の地域手当支給率
香川県内全域 3.2%ならして配る型
徳島県内全域 1.7%ならして配る型
愛媛0%(県外勤務のみ)配らない型
高知0%(県外勤務・医師のみ)配らない型

同じ四国でも、瀬戸内側の2県は「県内全域に配る」、太平洋側の2県は「配らない」。きれいに分かれました。給料表シリーズ2位の高知の月給に、地域手当は1円も乗りません。

ボーナスは4.50月でシリーズ最少——愛媛との逆転劇の正体

ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.50ヶ月分。令和7年の勧告で0.05月分引き上げられての、この月数です。実はこれ、シリーズ16都道府県で最少。これまでの最少は神奈川の4.60月で、多くの県は4.65月、東京は4.90月でした。

40歳モデルのボーナス年額
413,070円 × 4.50ヶ月 ≒ 約186万円

この「月数」が効いたのが、愛媛との四国対決です。給料表は高知393,400円 vs 愛媛391,210円で高知が月2,190円勝ち。地域手当はどちらも0%。ここまでは高知の勝ちパターンなのに——ボーナス月数が高知4.50月 vs 愛媛4.65月。この0.15月(約6万円)で、年収は愛媛684万・高知682万とひっくり返されました。給料表でも地域手当でもなく、ボーナスの月数が勝敗を決めたのはシリーズ初です。

💡 ボーナスの月数も、各県の人事委員会が民間の支給状況を調べて決めています。高知の民間の年間支給割合は4.51月(勧告時点)——つまり4.50月は「高知の民間水準に合わせた結果」。地域手当と同じで、ここにも「地域の民間給与に合わせる」という公務員給与の大原則が働いています。

手取りはいくら?

額面682万円から社会保険料と税金を引くと、こうなります。

項目金額(年間)
額面年収約682万円
社会保険料▲約100万円
所得税・住民税▲約57万円
手取り年収約525万円

月あたりにならすと、手取りは月約31.8万円+ボーナス手取り約143万円というイメージです(概算の考え方は解説記事へ。扶養や控除で個人差があります)。

16都道府県ランキング——四国4県、給料表と年収がほぼ真逆

高知を加えた最新ランキング。高知の位置がよく分かるように、前後を抜粋します。

順位都道府県額面年収手取り
1位大阪約763万円約587万円
11位千葉約684万円約526万円
12位愛媛約684万円約526万円
13位高知約682万円約525万円
14位沖縄約680万円約523万円
16位北海道約661万円約507万円

(全16都道府県の一覧表と各県の記事はシリーズまとめページへ)

そして、四国コンプリート記念の答え合わせがこちら。

四国4県給料表の順位年収の順位
高知四国1位(393,400円)四国4位(682万円)
愛媛四国2位(391,210円)四国3位(684万円)
徳島四国3位タイ(388,800円)四国2位(691万円)
香川四国3位タイ(388,800円)四国1位(701万円)

給料表の順位と年収の順位が、ほぼ完全に逆。基本給で一番頑張っている高知が年収では最下位、基本給が一番低い香川がトップです。差を作ったのは地域手当(3.2%・1.7%・0%・0%)とボーナス月数(4.65・4.65・4.65・4.50)——つまり本給以外の全部。「教員の年収は、本給ではなく手当で決まる」。四国4県が、これ以上ないかたちで証明してくれました。

まとめ

✅ 高知の教員給与、3行まとめ

・40歳モデルの年収は額面 約682万円・手取り 約525万円で16都道府県中13位
・給料表は393,400円でシリーズ2位——「388,800円の三つ子」の記録を止め、四国トップ
・なのに地域手当0%(県職員1万人の平均は月466円)+ボーナス4.50月はシリーズ最少。給料表2位→年収13位の、シリーズ最大の「ねじれ」に

これで四国4県がそろいました。「本給で勝って、手当で負ける」——高知は、シリーズがずっと追いかけてきた法則のいちばん極端な実例になりました。次回はいよいよ関西2府県目・兵庫へ。「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ教えてください。

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出典(公式データ)