こんにちは、けい先生です。都道府県別・教員給料シリーズ、第15弾は香川県。愛媛に続く四国2県目です。
先に結論を言うと、香川の高校教員(40歳モデル)の年収は額面 約701万円・手取り 約539万円。調べた14都道府県の中で8位でした。
今回、シリーズ史上初の偶然がありました。香川の給料表(基本給)は388,800円——前回調べた沖縄と、1円までぴったり同じなんです。それなのに年収は香川が21万円上。同じ給料表から、なぜ差が生まれるのか。答えは四国で初めて登場する「地域手当あり」の県だから。しかもその配り方が、全国的にもかなり珍しい「県内全域3.2%」という形でした。今回も公式データだけで全部計算していきます。
結論:香川の教員、40歳の年収はこれだ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(額面) | 約421,304円 |
| ボーナス(年間) | 約196万円 |
| 年収(額面) | 約701万円 |
| 年収(手取り) | 約539万円 |
モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。月給の内訳はこうなっています。
| 内訳 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 給料(基本給) | 388,800円 | 高等学校等教育職給料表 2級81号給 |
| 教職調整額(5%) | 19,440円 | 残業代の代わりに一律支給 |
| 地域手当(3.2%) | 13,064円 | 県内全域どこでも3.2% |
| 合計 | 421,304円 |
注目は3行目。前回の沖縄はここが0円でした。香川は県内のどこで働いても13,064円が毎月付きます。この1行が、年21万円の差になります。順番に見ていきましょう。
計算方法:使うのは公式データだけ
計算式はシリーズ共通です。
- 給料 388,800円:香川県の高等学校等教育職給料表・2級81号給(令和7年勧告後)
- × 1.05:教職調整額5%(教員には残業代の代わりにこれが付く)
- × 1.032:地域手当3.2%(県内全域どこでも支給)
- + 4.65ヶ月:ボーナス(期末手当+勤勉手当。令和7年勧告で0.05月引き上げ)
388,800 × 1.05 × 1.032 = 421,304円。これを16.65ヶ月分にすると——約7,015,000円(約701万円)です。
給料表は沖縄と「1円まで同じ」388,800円——同率6位
まず基本給から。香川の40歳(2級81号給)の給料は388,800円。この数字、前回の沖縄の記事を読んでくれた方は見覚えがあるはずです。そう、沖縄とまったく同じ金額。シリーズ15県目にして初めて、給料表が1円単位まで一致しました。
| 順位 | 都道府県 | 40歳の給料表(2級81号給) |
|---|---|---|
| 1位 | 愛知 | 398,000円 |
| 2位 | 京都 | 392,600円 |
| 3位 | 愛媛 | 391,210円 |
| 4位 | 広島 | 390,700円 |
| 5位 | 大阪 | 389,000円 |
| 6位タイ | 香川・沖縄 | 388,800円 |
| 8位 | 北海道 | 381,190円 |
| — | 東京 | 347,700円 |
香川も令和7年の人事委員会勧告は月例給+11,113円(3.00%)の引き上げ。1位の大阪との差は9,200円で、東京より月41,100円も高い——このあたりの構図も沖縄と同じです。
ちなみに四国のお隣・愛媛の給料表は391,210円で香川より2,410円高い3位。基本給の勝負では愛媛の勝ちです。ところが年収では香川が上に来ます。その理由が次の章です。
四国初の「地域手当あり」——しかも珍しい「県内全域3.2%」
シリーズでここまで調べた四国は愛媛(0%)だけでしたが、香川で初めて「県内で地域手当が付く県」が四国に登場します。しかも、その付き方が独特です。
国の基準では、香川県内で地域手当の支給地域になるのは高松市だけ(4%)。ところが香川県は平成26年から、県内全域を支給地域にしています。率は一律3.2%。県の公式資料では、高松市もそれ以外も、すべて3.2%で並んでいます。
| 勤務地 | 香川県の支給率 | (参考)国基準 |
|---|---|---|
| 高松市 | 3.2% | 4% |
| 坂出市・三木町 | 3.2% | 0%(経過措置あり) |
| 上記以外の県内全域 | 3.2% | 0% |
これ、よく見るとおもしろい仕組みです。国基準どおりなら高松市の先生だけが4%をもらい、丸亀や観音寺の先生は0%。同じ県立学校の教員なのに、転勤のたびに月1.5万円前後が付いたり消えたりすることになります。香川県はそれを「全員3.2%」にならして配っているわけです。高松勤務なら国基準より少し薄く、それ以外なら国基準より厚い。
💡 「同じ給料表なのに年収21万円差」のカラクリ——沖縄は給料表388,800円に地域手当0%で年収680万円(12位)。香川はまったく同じ給料表に3.2%が乗って701万円(8位)。差の21万円は、1円残らず地域手当です。基本給の差で説明できない年収差がある——シリーズで繰り返してきたこの構図の、これ以上ない実例になりました。
愛媛との四国対決も同じ理屈です。給料表は愛媛が2,410円上なのに、地域手当(香川3.2% vs 愛媛0%)でひっくり返って、年収は香川701万・愛媛684万で17万円差。「教員の年収は、本給ではなく勤務地の手当で決まる」——14県目でも、この法則は崩れませんでした。
ボーナスは約196万円
ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.65ヶ月分。令和7年の人事委員会勧告(2025年10月10日)で0.05月分引き上げられ、東京・大阪・沖縄と同じ月数になりました。
ボーナスは「月給×月数」で計算されるので、地域手当3.2%はここにも乗ります。同じ月数・同じ給料表の沖縄(約190万円)より約6万円多いのは、地域手当の分です。
手取りはいくら?
額面701万円から、社会保険料(約14.5%)と税金(所得税・住民税で約8.5%)を引きます。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 額面年収 | 約701万円 |
| 社会保険料 | ▲約102万円 |
| 所得税・住民税 | ▲約60万円 |
| 手取り年収 | 約539万円 |
月あたりにならすと、手取りは月約32.4万円+ボーナス手取り約151万円というイメージです(扶養や控除で個人差があります)。
14都道府県ランキング——同じ給料表で年収21万円差
香川を加えた最新ランキングがこちら。
| 順位 | 都道府県 | 額面年収 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大阪 | 約763万円 | 約587万円 |
| 2位 | 愛知 | 約755万円 | 約581万円 |
| 3位 | 京都 | 約748万円 | 約575万円 |
| 4位 | 東京 | 約740万円 | 約568万円 |
| 5位 | 広島 | 約738万円 | 約568万円 |
| 6位 | 埼玉 | 約716万円 | 約551万円 |
| 7位 | 神奈川 | 約703万円 | 約541万円 |
| 8位 | 香川 | 約701万円 | 約539万円 |
| 9位 | 福岡 | 約686万円 | 約528万円 |
| 10位 | 千葉 | 約684万円 | 約526万円 |
| 11位 | 愛媛 | 約684万円 | 約526万円 |
| 12位 | 沖縄 | 約680万円 | 約523万円 |
| 13位 | 福島 | 約664万円 | 約509万円 |
| 14位 | 北海道 | 約661万円 | 約506万円 |
7位の神奈川との差はわずか2万円。地方県が首都圏の政令県に肉薄するのは、シリーズ初の光景です。そして11位の愛媛・12位の沖縄との並びを見ると、「地域手当が3.2%あるかないか」だけで、四国・九州側の順位がまるごと入れ替わっているのが分かります。
まとめ
✅ 香川の教員給与、3行まとめ
・40歳モデルの年収は額面 約701万円・手取り 約539万円で14都道府県中8位
・給料表は388,800円で沖縄と1円まで同じ(同率6位)——なのに年収は21万円上
・差の正体は四国初の「地域手当あり」。国基準では高松市だけ4%のところ、香川県は独自に県内全域へ一律3.2%を支給する珍しい「ならして配る」型
「地域手当が高い都市部か、0%の地方か」という二択をずっと見てきたこのシリーズに、香川は「全域に薄く配る」という第3の型を持ち込んできました。転勤で手当が消えない安心感は、数字以上に大きいかもしれません。47都道府県、引き続き順に調べていきます。次は四国の残り(徳島・高知)へ。「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ教えてください。
出典(公式データ)
- 香川県人事委員会「令和7年職員の給与等に関する報告及び勧告」(令和7年10月10日・月例給+11,113円〔3.00%〕/期末・勤勉手当 計0.05月引き上げで年4.65月)別記第1 イ 高等学校等教育職給料表(2級81号給388,800円・令和7年4月1日遡及適用)
- 同勧告「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の改正に伴う措置」(教職調整額は令和8年1月から4%→段階的に10%へ、毎年1%ずつ引き上げ——国と同じ段階表)
- 香川県「令和7年度 県職員の給与・定員管理等の状況」(地域手当:県内全域3.2%〔平成26年4月から県内全域を支給地域として支給〕。国基準による支給割合は高松市のみ4%〔令和9年度〕。県平均支給割合3.24%)
- 手取りは社会保険料・税の概算(額面の約77%)です。金額は前提条件により変動します