こんにちは、けい先生です。都道府県別・教員給料シリーズ、第13弾は愛媛県。ついにシリーズ初の四国上陸です。
先に結論を言うと、愛媛の高校教員(40歳モデル)の年収は額面 約684万円・手取り 約526万円。調べた12都道府県の中で10位でした。
「地方だからそんなものか」と思いましたか? 実は今回、シリーズで一番の「もったいない県」かもしれません。というのも——愛媛の給料表(基本給)はシリーズ3位。あの広島より高く、東京より月4.3万円も高いんです。それなのに年収で10位に沈む理由はただ1つ、地域手当が県内全域0%だから。今回も公式データだけで、その仕組みを全部計算していきます。
結論:愛媛の教員、40歳の年収はこれだ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(額面) | 約410,770円 |
| ボーナス(年間) | 約191万円 |
| 年収(額面) | 約684万円 |
| 年収(手取り) | 約526万円 |
モデルは、シリーズ共通の「40歳・県立高校教諭(2級81号給)」。月給の内訳はこうなっています。
| 内訳 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 給料(基本給) | 391,210円 | 高等学校等教育職員給料表 2級81号給 |
| 教職調整額(5%) | 19,560円 | 残業代の代わりに一律支給 |
| 地域手当 | 0円 | 県内は支給地域なし |
| 合計 | 410,770円 |
内訳の1行目と3行目に、愛媛のすべてが詰まっています。基本給は高い。でも手当が付かない。順番に見ていきましょう。
計算方法:使うのは公式データだけ
計算式はシリーズ共通です。
- 給料 391,210円:愛媛県の高等学校等教育職員給料表・2級81号給(令和7年勧告後)
- × 1.05:教職調整額5%(教員には残業代の代わりにこれが付く)
- × 1.00:地域手当0%(県内勤務はどこでも支給なし)
- + 4.65ヶ月:ボーナス(期末手当+勤勉手当。令和7年勧告で0.05月引き上げ)
391,210 × 1.05 = 410,770円。これを16.65ヶ月分にすると——約6,839,000円(約684万円)です。
給料表はシリーズ3位——広島超え、東京より月4.3万円高い
まず驚いたのがここ。愛媛の40歳(2級81号給)の給料は391,210円。これは調べた12都道府県の中で愛知・京都に次ぐ3位です。先日「シリーズ3位の給料表」と紹介したばかりの広島(390,700円)を、510円ですが上回ってきました。
| 順位 | 都道府県 | 40歳の給料表(2級81号給) |
|---|---|---|
| 1位 | 愛知 | 398,000円 |
| 2位 | 京都 | 392,600円 |
| 3位 | 愛媛 | 391,210円 |
| 4位 | 広島 | 390,700円 |
| 5位 | 大阪 | 389,000円 |
| — | 東京 | 347,700円 |
あの東京より、月43,510円も高い。1年分の給料(基本給ベース)で見れば52万円の差です。「え、愛媛の先生って東京より基本給高いの?」——はい、高いんです。しかも令和7年の人事委員会勧告は月例給+10,993円(3.06%)という34年ぶりの高水準で、給料表は4年連続の引き上げ。県として給与水準をかなり頑張っている県なんです。
それでも10位の理由——地域手当「県内全域0%」
では、なぜ年収では10位に沈むのか。答えは地域手当です。愛媛県の規則が定める地域手当の支給地域は、こうなっています。
| 勤務地 | 支給率 |
|---|---|
| 愛媛県内(松山市を含む全域) | 0% |
| (参考)東京都特別区に赴任した場合 | 20% |
| (参考)大阪市に赴任した場合 | 16% |
| (参考)広島市に赴任した場合 | 8% |
| (参考)高松市に赴任した場合 | 4% |
規則に並んでいるのは、東京事務所など県外の職場に赴任した場合の率だけ。つまり愛媛県内で教員として働く限り、地域手当は1円も付きません。県庁所在地の松山市でも0%です。県内全域0%は、シリーズでは福島に続いて2県目になります。
💡 「給料表3位なのに年収10位」のカラクリ——広島は給料表390,700円に地域手当8%が乗って738万円(5位)。愛媛は給料表391,210円と広島より高いのに、手当0%で684万円(10位)。その差54万円は、ほぼすべて地域手当です。基本給の勝負では勝っているのに、手当で順位が決まる——シリーズを通して見えてきた「地域手当がすべてを決める」構図の、一番わかりやすい実例かもしれません。
ちなみに東京と比べると、もっと極端です。給料表は愛媛の方が月4.3万円高いのに、地域手当(東京23区20% vs 愛媛0%)でひっくり返されて、年収では東京が56万円上。「教員の年収は、本給ではなく勤務地の手当で決まる」——これが12県調べてきた率直な実感です。
ボーナスは約191万円
ボーナス(期末手当+勤勉手当)は年4.65ヶ月分。令和7年の人事委員会勧告で期末・勤勉それぞれ0.025月分(計0.05月)引き上げられ、12月に条例改正済みです。
支給月数そのものは東京や大阪と同じ4.65月。ただしボーナスは「月給×月数」で計算されるので、地域手当が0%だと、ここにもじわっと効いてきます。もし愛媛に広島並みの地域手当8%があれば、ボーナスは約206万円になっていた計算です。
手取りはいくら?
額面684万円から、社会保険料(約14.5%)と税金(所得税・住民税で約8.5%)を引きます。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 額面年収 | 約684万円 |
| 社会保険料 | ▲約99万円 |
| 所得税・住民税 | ▲約59万円 |
| 手取り年収 | 約526万円 |
月あたりにならすと、手取りは月約31.6万円+ボーナス手取り約147万円というイメージです(扶養や控除で個人差があります)。
12都道府県ランキング——千葉とわずか5千円差
愛媛を加えた最新ランキングがこちら。
| 順位 | 都道府県 | 額面年収 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大阪 | 約763万円 | 約587万円 |
| 2位 | 愛知 | 約755万円 | 約581万円 |
| 3位 | 京都 | 約748万円 | 約575万円 |
| 4位 | 東京 | 約740万円 | 約568万円 |
| 5位 | 広島 | 約738万円 | 約568万円 |
| 6位 | 埼玉 | 約716万円 | 約551万円 |
| 7位 | 神奈川 | 約703万円 | 約541万円 |
| 8位 | 福岡 | 約686万円 | 約528万円 |
| 9位 | 千葉 | 約684万円 | 約526万円 |
| 10位 | 愛媛 | 約684万円 | 約526万円 |
| 11位 | 福島 | 約664万円 | 約509万円 |
| 12位 | 北海道 | 約661万円 | 約506万円 |
面白いのは9位の千葉との差。四捨五入するとどちらも684万円で、円単位で計算してもその差はわずか5千円弱です。首都圏の千葉(給料表358,500円+地域手当9.2%)と、四国の愛媛(給料表391,210円+地域手当0%)が、まったく違う道筋でほぼ同じ年収にたどり着く——シリーズをやっていて一番面白い瞬間です。
まとめ
✅ 愛媛の教員給与、3行まとめ
・40歳モデルの年収は額面 約684万円・手取り 約526万円で12都道府県中10位。千葉とわずか5千円差
・給料表は391,210円でシリーズ3位——広島を上回り、東京より月4.3万円高い
・それでも10位の理由は地域手当が県内全域0%(福島に続き2県目)。「年収は本給より勤務地の手当で決まる」の最もわかりやすい実例
四国初上陸は、シリーズ屈指の「考えさせられる県」でした。四国の残り3県(香川・徳島・高知)も順に調べていきます。「うちの県もやってほしい」というリクエストは、XのリプやYouTubeのコメントでぜひ教えてください。
出典(公式データ)
- 愛媛県報 令和7年12月23日 第673号外1「教育職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」(愛媛県条例第46号)別表第2 高等学校等教育職員給料表(2級81号給391,210円・令和7年4月1日遡及適用)
- 愛媛県人事委員会「令和7年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(令和7年10月6日・月例給+10,993円/期末・勤勉手当 計0.05月引き上げで年4.65月)
- 愛媛県「教育職員の給与等に関する特別措置条例」(教職調整額は令和8年1月から5%、以後毎年1%ずつ引き上げ、最終的に10%——国と同じ段階表を条例に明記)
- 愛媛県「地域手当に関する規則」(支給地域は東京都特別区20%・大阪市16%・さいたま市12%・広島市8%・高松市4%の県外のみ。県内の支給地域なし)
- 手取りは社会保険料・税の概算(額面の約77%)です。金額は前提条件により変動します