「神奈川の先生って、いくらもらってるの?」に答えてみる

47都道府県の教員給料シリーズ、東京大阪に続く第3弾は神奈川県です。人口全国2位、横浜・川崎という大都市を抱えて、しかも東京のすぐ隣。「東京とほぼ同じくらいもらえるんでしょ?」と思われがちですが——調べてみると、そう単純ではありませんでした。

今回も、神奈川県が公表している公式データ(給与・定員管理等の公表資料、令和7年4月1日現在)をもとに、高校教員の給料・ボーナス・手取りを具体的な金額で出していきます。

💡 この記事でわかること
・神奈川県の高校教員の額面年収はいくらか
手取りにすると、いくら残るのか
・給料・地域手当・ボーナスの内訳
東京との差はどこで生まれるのか

結論:額面 約710万円・手取り 約547万円(平均41.4歳)

先に答えからいきます。神奈川県の公表データでは、高等学校教育職の平均は41.4歳・平均給与月額439,733円。ここからボーナス(年4.6ヶ月)を含めて年収を計算すると、次のようになります。

項目金額(年・概算)
額面年収(税込)約 710万円
 └ うち 毎月の給与(12ヶ月分)約 528万円
 └ うち ボーナス(年4.6ヶ月)約 183万円
差し引かれるもの(社会保険+税)約 163万円
手取り年収約 547万円

ざっくり、「平均41.4歳・額面710万・手取り547万」。月の手取りにすると33〜34万円、それに加えてボーナスが年2回、というイメージです。手取り率はおよそ77%で、これは東京・大阪と同じ水準です。

内訳① 毎月の給料と「地域手当12.45%」

まず毎月の給与から。公表されている平均値の内訳はこうなります。

項目月額(概算)
給料(基本給)約 353,000円
地域手当(給料の12.45%)約 44,000円
その他の手当(扶養・住居・時間外等の平均)約 43,000円
給与月額(手当込み)約 440,000円

神奈川県の地域手当は、勤務地にかかわらず一律12.45%。実はここが今回いちばんの「ぶっちゃけポイント」なのですが、それは後半でじっくり書きます。

参考までに、経験年数別の給料月額(高校教育職・大卒、手当は含まない基本給のみ)も公表されています。

経験年数給料月額(基本給のみ)
10年約 339,500円
20年約 398,200円
25年約 418,700円
30年約 432,900円

内訳② ボーナスは年4.6ヶ月

ボーナス(期末手当2.5ヶ月+勤勉手当2.1ヶ月)は年間4.6ヶ月分。「給料+地域手当」をベースに計算すると、年間で約183万円(税込)になります。役職段階別の加算(5〜20%)がつく人はもう少し増えるので、実際は183万〜190万円台のイメージです。

東京・大阪の記事でも書いた通り、ボーナスも「給料+地域手当」ベース。つまり地域手当の高低は、月給だけでなくボーナスにも効いてきます。

額面→手取り 引かれるものの中身

額面710万円から引かれるのは、大きく分けて2つです。

引かれるもの年額(概算)中身
社会保険料(共済掛金)約 100万円年金 約9.15% + 健康 約4.5% + 介護(40歳〜) 約0.9%
所得税・住民税約 63万円給与・ボーナスにかかる税金
合計約 163万円
手取りのイメージ
額面 約710万 −(社会保険 約100万 + 税 約63万)= 手取り 約547万

結果、手取りはおよそ547万円。月にならすと毎月の手取りが33〜34万円、ボーナスの手取りが年2回で計140万円台、というイメージです。

東京の隣なのに…「地域手当」のぶっちゃけ

ここからが今回の本題です。東京の教員の給料が高い理由は地域手当(20%)でした。では東京のすぐ隣、物価も家賃も高い神奈川はというと——12.45%です。

しかも、です。国の基準では、神奈川県内の地域手当は本来こう定められています。

勤務地国の基準神奈川県の実際の支給
横浜市・川崎市・厚木市16%12.45%
鎌倉市・逗子市・藤沢市14%12.45%
相模原市・海老名市・座間市12%12.45%
その他の県内市町村4%〜11%12.45%

そう、神奈川県は県内どこで働いても一律12.45%。横浜の学校で働く先生は、国家公務員なら16%もらえる地域なのに、県立学校の教員だと12.45%。逆に地域手当が低い地域の先生には有利な、「ならして一律」方式です。

⚠️ 2024年の制度改正でどうなる?
令和6年の人事院勧告で、地域手当は「都道府県単位」に再編され、神奈川県は国基準で16%に位置づけられました。ただし県の公表資料には「地域手当の見直しは実施していない」と明記されており、今のところ12.45%のまま。今後この差がどうなるかは、神奈川の先生の年収を左右する注目ポイントです。

単純計算ですが、もし東京並みの20%なら地域手当は月約7.1万円。12.45%との差は月約2.7万円、年間ではボーナスへの影響も含めて40万円前後の差になります。「東京の隣」と「東京」の間には、思ったより大きな川が流れています。

読むときの注意(前提と計算方法)

まとめ

✅ この記事のまとめ(神奈川県・高校教員・平均41.4歳)

額面年収 約710万円(毎月の給与 約528万+ボーナス 約183万)
手取り年収 約547万円(手取り率 約77%)
・毎月の給与は手当込みで約44万円、月の手取りは33〜34万円
・地域手当は県内一律12.45%。国基準(横浜16%)より低く、東京(20%)とは月2.7万円の差
・2024年改正で国基準は「神奈川県=16%」に。県が追随するかが今後の注目点
・数字は公式の平均値をもとにした推計。年齢・家族構成・手当で変動します

東京(20%)・大阪(約12%→16%へ)・神奈川(一律12.45%)と並べてみると、「どの県で働くか」だけでなく「その県が地域手当をどう運用しているか」で教員の年収が変わることが見えてきます。シリーズで比べていくほど面白くなってきました。

このシリーズは47都道府県ぜんぶを目指しています。「うちの県もやってほしい」「実際の数字と違う!」があれば、ぜひXで教えてください。

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けい

けい|現役教員・お金の発信者

公立高校で教員をしながら、給与・資産形成・節税について実践をもとに発信しています。自分の給与明細を見て「これどういう意味?」と思ったことをそのまま記事にしています。

※出典・データの根拠:神奈川県「神奈川県の給与・定員管理等について」(令和7年4月1日現在)の高等学校教育職の平均給料月額・平均給与月額・期末勤勉手当支給月数・地域手当支給割合をもとに推計/地域手当の改正は人事院 令和6年給与勧告。金額は前提条件により変動します。