証券口座、今いくつ持っていますか?
私はかつて、8つ持っていました。
何か大きな投資戦略があったわけではありません。「IPO(新規上場株)は口座が多いほど当選しやすい」という情報を見て、使えそうな証券会社を片っ端から開設していっただけです。
結果として、半年間挑戦して1回も当たらず。その後は使いもしない口座が「邪魔な持ち物」として残り続けました。最終的にYouTubeで見た一言がきっかけで、解約祭りを決行。今はずいぶんスッキリしました。
その経緯を正直に書きます。
なぜ8つも開設したのか——IPOへの期待
IPO(新規上場株式)は、企業が株式市場に新規上場する際に、一般投資家が事前に株を購入申し込みできる制度です。上場直後に株価が上がるケースが多く、「当たれば儲かる」という話として投資系のメディアでよく紹介されていました。
そこでよく言われていたのが、
「IPOは証券会社ごとに抽選が行われるので、口座が多いほど当選確率が上がる」
という話です。これを素直に信じた私は、IPOに対応している証券会社を片っ端から調べて、口座を開設していきました。開設自体は無料。「作っておいて損はない」という感覚でした。
気づけば8口座。お金を入れているわけではなく、IPOに応募したいタイミングで必要額を入金して、終わったら引き出す——という使い方を想定していました。
⚠️ 当時の思考回路
口座数を増やす=当選確率が上がる=お得、という計算だけ。「使わなくなったときに何が残るか」は全く考えていませんでした。
半年挑戦して、0勝だった話
口座を8つ揃えた状態でIPO投資に挑戦したのは、約半年間でした。
結果は、0勝です。一度も当選しませんでした。
IPOの当選確率は、人気銘柄だと抽選倍率が100〜1,000倍になることも珍しくありません。口座を8つにしたところで、0.8%が6.4%になる程度の話です。それでも「いつかは当たるだろう」と続けていましたが、半年経っても結果はゼロ。気力が切れて、自然とIPOへの挑戦もやめました。
💡 IPO当選の現実
人気銘柄の当選倍率は100〜1,000倍が珍しくない。口座を8つにしても当選確率は最大8倍になるだけで、元の確率が低すぎると焼け石に水。コツコツ積立投資の方が長期では確実です。
使わなくなってから気づく管理コスト
IPOへの挑戦をやめてからも、8つの口座はそのまま残り続けました。残高はほぼゼロ。使っていない。それでも、ちょっとした管理コストが定期的に発生しました。
引越しのたびに住所変更手続きが8社分
証券口座は登録住所と実際の住所が一致していないといけません。私は何度か引越しをしたのですが、そのたびに8社分の住所変更手続きをしなければなりませんでした。使ってもいない口座のために、ログインして手続きして……という時間が、地味にかかりました。
解約しようとしたときにログインできない
「そろそろ解約しよう」と思って証券会社のサイトを開いたとき、ログインIDもパスワードも思い出せない、という状況が何度か起きました。使っている間はよかったのですが、半年以上放置した口座のログイン情報は頭に残っていません。
再設定しようとすると、登録メールアドレスが古いものになっていて、そのメールアドレスも既に使っていない——という状況になり、問い合わせをしたり、書類を郵送したりと、解約するだけで何日もかかることもありました。
持っているだけで「管理しなきゃ」という感覚がある
使っていなくても、「ちゃんと管理できているか」という漠然とした不安はありました。使わないのに気になる。典型的な「持っているだけでコストがかかる」状態でした。
解約を決めたきっかけ——YouTubeの一言
解約を決意したのは、投資系YouTuberの動画を見ていたときです。確かこんな内容でした。
「不要な口座をそのままにしている人が、お金持ちになれるわけがない。使っていない口座はさっさと解約しろ」
刺さりました。そうだ、私のことだ、と。
そこから一気に解約祭りを始めました。使っていない証券口座を次々と解約。中には電話での手続きが必要なものや、書類を郵送しないといけないものもあって面倒でしたが、終わってみると本当にスッキリしました。
📊 解約してよかったこと
・「何か手続きしなきゃ」という漠然とした不安がなくなった
・持っていない証券会社からのメールが来たとき、即座に詐欺メールと判断できるようになった
・資産の全体像がパッと見てわかるようになった
詐欺メールの見分けが一瞬でできるようになったのは、地味ですが本当に便利です。「◯◯証券からお知らせ」というメールが来たとき、「この証券会社の口座は持っていない」と即座に判断できる。口座が多いほど、この判断が難しくなります。
現在の口座構成:楽天証券+SBI証券の2本
今使っているのは、楽天証券とSBI証券の2つです。
楽天証券:NISAで積立投資
NISAを楽天証券でスタートしていたので、そのまま継続しています。積立投資の主力はここです。口座を整理する際も「楽天か、SBIか」が最適解と言われており、どちらかに集約するなら移行手続きの手間を考えると楽天をそのまま使うのが現実的でした。
SBI証券:日本株の高配当株(単元未満株)
こちらは少し経緯があります。
もともと私は、日本株の高配当株を単元未満株(1株単位)で少しずつ買い集めていました。当時、単元未満株をコストを抑えて買える証券会社として、SBIネオモバイル証券がありました。月220円(税込)の定額制で、単元未満株を何度でも取引できるサービスでした。
そのネオモバイル証券が、2024年にSBI証券に統合されました。結果として、保有していた株がSBI証券に移管され、今はSBI証券で日本株の高配当株を管理しています。
💡 楽天証券でも単元未満株は買える
楽天証券にも「かぶミニ®」という単元未満株サービスがあります。現在は手数料が低水準に設定されており、今後SBIの高配当株を楽天のNISA枠で買い直すことも検討中です。NISA枠がまだ余っているので、非課税で運用できるうちに移していきたいと考えています。
最終的には楽天証券1本にまとめたい気持ちはありますが、移し替えの手間を考えながら、今は楽天+SBIの2本体制でゆっくり整理を進めています。
まとめ:口座は少ない方がいい、本当に
この経験から言えることをまとめます。
- IPO目的の口座開設は、半年やって0勝だった
- 使っていなくても、口座があるだけで管理コスト(住所変更・ログイン情報管理など)がかかる
- 解約して本当に良かった。スッキリするし、詐欺メールも即見抜ける
- 証券口座は「楽天かSBI」の2択で十分。目的に応じて1〜2本に絞るのが正解
「口座があるだけで邪魔」というのは、使い始めるまで実感しにくいものです。でも一度整理してみると、その快適さに気づきます。
不要な口座を持ち続けるのは、使わない服をクローゼットに詰め込んでおくのと同じ。
空間が片付くと、本当に大事なものが見えやすくなる。
今、使っていない証券口座が複数ある方には、一度棚卸しすることをおすすめします。解約手続きはかなり面倒です(笑)。でも、終わった後のスッキリ感は本物です。