「保険って、どれに入ればいいんですか?」
教員仲間からも、SNSでも、よく聞かれます。
答えはシンプルです。教員・公務員・会社員など「雇われて働く人」が本当に必要な保険は3つだけ。それ以外は、ほぼ入らなくていいです。
なぜそう言い切れるのか。社会保険の仕組みと、私自身の経験から正直に書きます。
雇われで働く人は、すでに手厚く守られている
民間保険を考える前に、まず自分がどれだけ守られているかを知っておく必要があります。
教員・公務員・会社員などが加入している社会保険には、実は非常に強力な保障が含まれています。
① 高額療養費制度(健康保険)
病気や怪我で医療費がかさんでも、1か月の自己負担には上限があります。年収約370〜770万円の人なら、上限は月約8〜9万円程度。それを超えた分は戻ってきます。
つまり、どれだけ大きな病気をしても、医療費で家計が壊滅することはない仕組みになっています。
② 傷病手当金(健康保険)
病気や怪我で働けなくなったとき、給与の約3分の2が最長1年6か月支給されます。会社員・公務員に限った制度で、フリーランスや自営業には基本的にありません。
「働けなくなったときのお金が心配」という理由で医療保険に入る人がいますが、傷病手当金がある限り、多くの場合はそれで対応できます。
③ 厚生年金(障害・遺族給付を含む)
障害を負ったときの「障害厚生年金」、死亡時の「遺族厚生年金」も、国民年金よりかなり手厚い保障があります。自営業の人と比べると、保障の差は大きいです。
💡 まとめると:教員・公務員・会社員は「大病をしても医療費は上限あり」「働けなくても給与の2/3が出る」「死亡・障害時も年金で守られる」という3重の公的保障があります。ここをスタート地点にして保険を考えると、必要なものが見えてきます。
本当に必要な保険は3つだけ
社会保険で守られている部分を除いたうえで、それでも民間保険が必要なケースは限られます。私が「必須」と考えるのは以下の3つです。
① 火災保険
持ち家でも賃貸でも必須です。火災・水害・盗難など、生活の基盤となる「家」に関わるリスクは社会保険では対応できません。費用も年数千〜数万円程度と比較的安く、加入しない理由がありません。
② 自動車保険(車に乗るなら)
車を運転するなら任意保険は絶対に必要です。対人・対物で億単位の賠償が発生することもあります。ただし「車両保険」は基本的に不要です。自分の車の修理代を補填するものですが、保険料が高いわりにメリットが少ないです。新車購入直後くらいなら検討余地がありますが、数年経った車なら外してよいと思います。
③ 掛け捨ての生命保険(家族がいるなら)
「自分が死んだとき、家族が路頭に迷う」という状況にある人は、掛け捨ての定期生命保険に入るべきです。ポイントは「掛け捨て」であること。貯蓄型の生命保険は保険料が高く、同じ保障を安く得るなら掛け捨てで十分です。
逆に言えば、独身で扶養家族がいない、あるいは資産が十分にあるなら、生命保険も不要です。
✅ 車に乗らない・扶養家族がいない方は:火災保険だけでOKです。資産が十分にあれば火災保険以外は不要という考え方もあります。
入らなくていい保険【理由つき】
FPや保険営業に勧められやすいけれど、雇われで働く人には基本的に不要な保険を整理します。
| 保険の種類 | 不要な理由 |
|---|---|
| 医療保険 | 高額療養費制度・傷病手当金があるため、入院・手術の費用はほぼカバーできます。実損以上の給付は「もうけ」にもなりません |
| がん保険 | がんも高額療養費制度の対象です。先進医療特約も実際に使う確率は低いです。医療保険で対応できる範囲と重複することが多いです |
| 学資保険 | 返戻率が低く、途中解約すると元本割れのリスクがあります。NISAや現金積立のほうが柔軟に運用できます |
| 個人年金保険 | 利回りが低いです。iDeCoやNISAと比べると運用効率で劣ることが多いです。保険料控除目的で少額加入するケースを除き不要です |
| 貯蓄型生命保険 | 「保障+貯蓄」を一つにまとめた商品ですが、どちらも中途半端になりやすいです。掛け捨て生命保険+自己投資のほうが効率的です |
⚠️ 「保険は全部ムダ」ではありません:上記はあくまで「雇われで社会保険が使える人」を前提にした話です。フリーランスや自営業の方は、社会保険の保障が薄いため、医療保険が必要なケースもあります。
私が実際に入っている保険
「理屈はわかったけど、実際どうしてるの?」という声もあると思うので、正直に書きます。
| 保険の種類 | 加入状況・コメント |
|---|---|
| 火災保険 | 加入中。賃貸ですが、不動産業者が指定した保険は断り、自分でコスパのいい保険を選んで契約しました。 |
| 自動車保険 | 加入中(車両保険なし)。対人・対物は手厚くしていますが、自分の車の修理代は自己負担と決めています。 |
| 掛け捨て生命保険 | 加入中。子供3人がいるため、自分が死んだ際の家族への保障として加入しています。子供が独立したら解約する予定です。 |
| 医療保険 | 未加入。高額療養費制度と傷病手当金があるため不要と判断しています。加えて、医療保険代わりに債券の投資信託を積み立てています。 |
| がん保険 | 未加入。医療保険と同様の理由です。 |
以前はFPに勧められた保険に複数加入していましたが、内容をちゃんと理解してから整理しました。今は必要最低限の3つだけです。
FPに勧められても断っていい理由
「FP(ファイナンシャルプランナー)に相談したら、たくさん保険を勧められた」という話をよく聞きます。私もかつてそうでした。
FPには大きく2種類います。
- 独立系FP:特定の保険会社に縛られず、客観的なアドバイスができます
- 保険代理店系FP:保険を売ることで報酬が発生します。多く売るほど収入になります
無料相談や保険ショップのFPは後者であることがほとんどです。「無料で相談できる」のは、保険を売ることで収益が出ているからです。
タダより高いものはない、とはまさにこのことです。FPのアドバイスが間違っているわけではありませんが、「売れる保険を売りたい」という動機がある以上、フラットな提案にはなりにくい構造です。
保険の見直しをするなら、まず自分で社会保険の仕組みを理解してから相談に行くのをおすすめします。知識がある状態で行けば、不要な提案を断りやすくなります。
まとめ
📝 この記事のまとめ
- 教員・公務員・会社員には高額療養費制度・傷病手当金・厚生年金という強力な社会保険があります
- 本当に必要な民間保険は①火災保険 ②自動車保険(車両保険なし)③掛け捨て生命保険の3つだけです
- 医療保険・がん保険・学資保険・貯蓄型保険は基本的に不要です
- 車に乗らない・扶養家族がいないなら、火災保険だけでOKです。資産が十分であれば火災保険以外は不要という考え方もあります
- 無料FPは「保険を売ることで収益を得ている」ことを忘れないようにしましょう
保険はシンプルに考えるほど正解に近づく、というのが私の持論です。「何かあったとき怖いから」という漠然とした不安で保険を増やすより、社会保険で守られている範囲を正確に把握して、本当に足りない部分だけを補う。それだけで十分です。
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